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整形外科 外科
リハビリテーション科

ギラン・バレー症候群 Guillain-Barre syndrome

 両手両足の脱力感が生じます。小児では痛みが中心のことも多いです。進行性で場合によっては呼吸筋麻痺も起こります。適切な対応が必要です。

 本来整形外科の疾患では無く神経内科が治療します。見逃さずきちんと神経内科を紹介するのが役目と言えます。
 
<Guillain-Barre症候群>

 『Guillain-Barre症候群は非典型例が典型的』 逆説的なタイトルで書かれた特集(総合診療2016.5.P404-409)がありました。Guillain-Barre症候群は、医学を学んだ者なら誰でも知っている病気なのですが、その知っている知識がいわゆる典型例であり、実際には非典型例の方が多いために診断が返って困難となっているのです。それ故にこのようなタイトルを付けて注意喚起をしているようです。

 Guillain-Barre症候群の典型的な症状は、急性に発症する進行性の筋力低下と深部腱反射消失を伴う免疫介在型の多発性末梢神経障害とされます。多くは、呼吸器感染症が先行して1-2週間後に発症します。(3-6割は先行感染がありません。)2-4週間以内に症状はピークを付けて改善します。軸索型は抗ガングリオシド抗体が関与。まず、手足のしびれ感で発症し、その後、四肢の運動麻痺を起こします。(かつての典型例の説明では、しびれはなく運動麻痺のみとされていました。)およそ左右対称の症状で、遠位筋優位もしくは近位筋優位の筋力低下をきたします。また下肢優位もしくは上肢優位のこともあります。筋力低下は進行性で、最終的には四肢麻痺、呼吸筋麻痺(25%は人工呼吸器)となります。異常感覚(90%)、疼痛(60%)、感覚脱失、脳神経麻痺(顔面神経麻痺、球麻痺、眼球運動障害)、運動失調、自律神経障害(頻脈、徐脈、高血圧、起立性低血圧、神経因性膀胱など)を起こします。腱反射低下は8割。
 
 臨床亜型として、

・咽頭頚部上腕型
・急性口咽頭麻痺
・facial displegia and paresthesia (FDP)
・下肢型/対麻痺型
・感覚型GBS
・運動失調のみきたす運動失調型
・急性汎自律神経異常症

 があります。