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整形外科 外科 リハビリテーション科

 
 
腸脛靱帯炎  Iliotibial Band Syndrome

 ランナー膝と呼ばれ、ランニング、登山の下山、サイクリングで起こりやすいです。膝よりやや上の外側(大腿骨外顆部)に痛みが生じます。これは腸脛靱帯が大腿骨外顆の膨らんでいるところに擦れて炎症が起こります。

 腸脛靱帯は大腿四頭筋のうち外側広筋の外側を走る靱帯で、起始部は大腿筋膜張筋と大殿筋とつながり、脛骨近位の前面のGerdy結節にて停止しています。この靱帯は膝が伸展時は大腿骨外側上顆より前方にあり、30°屈曲で上顆上に、更に屈曲すると上顆より後方に移動します。

 膝を伸展屈曲する運動で外側上顆と擦れインピンジメントとなり炎症が起こります。早いランニングは膝を30°以上屈曲したまま着地するのでインピンジメントとならず靭帯炎を起こしにくいのですが、遅く走る(スローランニング)と30°前後を擦るようになり発症しやすくなります。下り坂、ジョギング、不整地、雨の日のランニングで起こりやすい。靭帯炎と滑液包炎を起こします。

 治療はまずは局所の安静です。腸脛靱帯のストレッチと股関節が内反しないように中殿筋を鍛えるようにします。痛みが改善したらインピンジメントを起こさないように早いランニングから開始します。その後、徐々に遅いランニングにしていきます。外顆の隆起が強い場合は、外顆を削る手術を行います。
 
 
本日のコラム102 腸脛靱帯炎のテーピング

 腸脛靱帯は、お尻にある大腿筋膜張筋と大殿筋の上部線維につながっており大転子から膝までの長い靱帯(腱)です。この靱帯と大腿骨の膝上にあるでっぱり(外側上顆)が擦れて炎症を起こした状態を腸脛靱帯炎といいます。何らかの原因があり、擦れ過ぎると発症します。

 原因はさまざまで、大殿筋や大腿筋膜張筋の過剰な緊張、オーバーユース、O脚、外側上顆の過剰な隆起、荷重時の骨盤の傾き(中殿筋の減弱)などによって起こります。

 治療はこれらの原因を明らかにして対応します。いずれの原因でもストレッチと局所の安静は有効な治療となります。テーピングはどうでしょう?

 膝周辺にテーピングした場合、膝の不安定性があり荷重時に異常な内反が起こる場合にはある程度有効です。外側上顆が突出してインピンジメントを起こしている場合は、外側上顆周辺を圧迫しないようにテーピングをします。骨盤と股関節の筋力が弱く、荷重時に骨盤が強く傾く場合は、臀部から膝下までのテーピングが有効でしょう。、ただし皮下にある厚い脂肪層は固定できませんので、力が掛かると皮膚がずれを起こし、関節の可動域を強く制限することは困難だと考えます。

 このようなことから腸脛靱帯炎で効果的な治療はテーピングだけでなく、急性期は足をしっかり休め、温熱治療などから開始し、炎症の減弱とともに、ストレッチや筋トレを加えていきます。

 ゆっくり走ると靱帯が大腿骨外顆をまたぐように動きますので、ランニングは速い速度で開始するようにします。改善とともにスピードを落としていきます。