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整形外科 外科
リハビリテーション科

若年性特発性関節炎 juvenile idiopathic arthritis: JIA

 以前は若年性関節リウマチといわれていましたが、若年性特発性関節炎と名称に統一されました。16歳以下に発症する6週間以上続く原因不明の関節炎と定義されています。症状の出方により全身型、関節型(少関節型、多関節型)、症候性に分類されます。全身型が42%、少関節型が20%、多関節型が32%、その他が6%を占めます。

 全身型は、発症が3歳と8歳と二峰性のピークがあり、弛張熱、リウマトイド疹、関節炎が三主徴です。弛張熱は日内変動が1℃以上で平熱にまでは下がらない熱型を示します。リウマトイド疹は発熱と共に出現し解熱とともに消失することもある数ミリ〜1センチ大の紅斑です。ほかに、リンパ節腫張、肝・脾腫、心炎、胸膜炎、咽頭痛があります。

 関節型は発症6ヶ月以内の関節炎の数で4関節以下を少関節型、5関節以上のものを多関節型とします。少関節型は多くの場合で膝関節や足関節などの大きな関節で始まります。適切な治療で予後は比較的良好とされています。ぶどう膜炎を合併することがあるので定期的な眼科検診が必要です。多関節型は左右同じ関節で痛みや腫れが起こり、手や指の小さな関節をはじめ、肘、足、膝、頚、顎の関節でも炎症がみられます。微熱、倦怠感、食欲不振などの症状が出ることがあります。


 症候性慢性関節炎は乾癬や潰瘍性大腸炎などに併発して二次的に関節炎を起こすものです。

<検査>
 血液検査で炎症所見、MMP-3高値、超音波で滑膜の増殖、滑膜血管の増生 リウマトイド因子は陰性のことも多い。
<治療>
 全身型 当初、NSAIDsを使用しますが有効で無いことが多く、ほとんどの症例でステロイドが使われます。抗IL-6受容体モノクローナル抗体(トリシズマブ)が有効です。

 関節型 診断が確定するまではNSAIDsを使用し、確定後、それに加えてメトトレキセート少量パルス療法と少量のプレドニゾロンを使って三者療法が行われます。効果がない場合は、TNF阻害剤であるエタネルセプトや上述のトリシズマブなどの生物学的製剤が使われます。