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整形外科 外科 リハビリテーション科

環指・小指のしびれ 神経内科疾患(ニューロパチー)

 医学生の頃、神経内科が結構面白く感じて、真面目に取り組みましたが、かなり難しい分野です。すればするほど頭の中が混乱した苦い記憶があります。今回(関節外科8月号)は、環指・小指にしびれを起こす神経疾患として、ニューロパチーについて書かれています。ニューロパチーとは「末梢神経の病気の総称であり以前は神経炎と呼ばれていました。(現在、神経炎は炎症細胞の浸潤などを認める疾患にのみ使用)運動、感覚、自律神経の障害を起こします。

 ニューロパチー分類
 単一(モノ)ニューロパチー:単一の神経障害
 多発単(モノ)ニューロパチー:別々の領域にある2つ以上
 多発ニューロパチー:多数の神経を同時に

 単一モノニューロパチーは、特に急性期では外傷による末梢神経障害があります。また持続的な微少外傷の繰り返しでも起こります。(エアハンマー、小さな道具を強く握る)突出部の持続的な圧迫は圧迫性末梢神経障害を生じさせます。(尺骨、橈骨、腓骨神経)解剖学的に細い部分を通る神経が圧迫されると絞扼性神経障害となります。(手根管症候群など)何らかの形で単一の神経を圧迫することで症状が出ます。

 多発モノニューロパチーは、結合組織疾患(結節性多発動脈炎、SLE、Sjogren症候群、RA)、サルコイドーシス、代謝疾患(糖尿病、アミロイドーシス)、感染症(Lyme病、HIV、ハンセン病など)などで起こります。(糖尿病は感覚運動性遠位多発ニューロパチーが生じる)

 多発ニューロパチーは、広汎性の末梢神経障害です。運動神経線維を侵すポリニューロパチー(鉛中毒、グルコスルホンナトリウムの使用、ダニ、ポルフィリン症、ギラン・バレー症候群)、感覚神経線維を侵すポリニューロパチー(癌による後根神経節炎、ハンセン病、AIDS、豆乳病、慢性ピリドキシン中毒)、更には脳神経も侵される疾患(ギラン・バレー症候群、Lyme病、糖尿病、ジフテリア)もあります。

    臨床症状 




状  
   多発ニューロパチー   多発単ニューロパチー
 運動・感覚神経  代謝性、欠乏性
 薬剤性
 アミロイドーシス
 CIDP
 Guillain-Barre症候群
(脱髄型、一部の軸索型)
 血管炎性
 CIDP
 純粋感覚神経    後根神経節炎
(糖尿病合併、薬剤性など)
 純粋運動神経  Guillain-Barre症候群
(軸索型の大部分)
 多巣性運動ニューロパチー

*CIDP 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy
<多発ニューロパチーの機能障害部位別分類> 

 ミエリン機能障害 莢膜で覆われた細菌(カンピロバクターなど)、ウイルス(腸内ウイルス、インフルエンザ・ウイルス、HIVなど)、ワクチン(インフルエンザワクチンなど)により感染随伴性免疫応答に起因することが多い。末梢神経内の抗原と交叉反応を起こす。

 神経栄養血管障害 慢性動脈硬化性虚血、血管炎、凝固機能亢進により栄養血管からのフィーディングが障害される。

 軸索障害 対称性の軸索障害は、中毒、代謝障害で起こることが最も多いとされる。軸索障害は遠位部に生じる傾向がある。糖尿病、慢性腎不全、化学療法剤なども原因となる。栄養欠乏(ビタミンB欠乏が最多)、ビタミンB6またはアルコールの多量摂取でも起こる。代謝性(頻度は低い)では甲状腺機能低下症、ポルフィリン症、サルコイドーシス、アミロイドーシスなどがある。ある種の化学物質、鉛・ヒ素・水銀などの重金属の暴露などでも発症する。

 小細胞肺癌の腫瘍随伴症候群では、脊髄後根神経節およびその感覚神経軸索の喪失により亜急性感覚神経障害を起こすことがある。
 <ニューロパチーの診断>

 臨床所見のうち、特に発症の速度が重要。

 非対称性→ミエリン鞘または神経栄養血管障害

 遠位の対称性→中毒性、代謝性

 緩徐に進行性し慢性→遺伝性か毒物の長期暴露または代謝性

 急性→自己免疫応答、血管炎、感染後

 非対称性の軸索神経障害で発疹、皮膚潰瘍、レイノー現象→凝固亢進、感染随伴性、自己免疫性の血管炎

 体重減少、発熱、リンパ節症、塊状病変→腫瘍、感染随伴性症候群を示唆。

  <ニューロパチーの検査>

 筋電図と神経伝導検査が必要。Guillain-Barre症候群初期では近位軸索が障害されるのみで筋電図は性状のことがある。

 血液検査では、CBC、電解質、腎機能、迅速血漿レアギン試験、空腹時血糖、HBA1c、VB12、葉酸、甲状腺刺激ホルモン、血清タンパク電気泳動

 ■個別疾患ごとの対応

 努力肺活量測定:Guillain-Barre症候群と同様に急性のミエリン機能障害性神経障害
 急性、慢性のミエリン機能障害性神経障害→肝炎、HIVを含む感染性疾患、免疫機能不全の検査、蛋白電気泳動
 運動機能障害が主→抗ミエリン関連糖蛋白質(MAG)抗体
 感覚機能障害が主→抗スルファチド抗体
 腰椎穿刺:自己免疫応答によるミエリン機能障害は、しばしば髄液のアルブミン細胞解離を起こす。CSF中のタンパク質が増加(>45mg%)、WBCは正常。(<5/uL)

 非対称性の軸索性多発ニューロパチー→凝固機能、加えて感染随伴性または自己免疫性の血管炎を調べる→赤沈、血清タンパク電気泳動、リウマトイド因子、抗核抗体、血清CPK(急性の筋梗塞で上昇)

 原因が特定できない場合は筋生検、神経生検(通常は障害のある腓腹神経)生検を行う筋は、中等度以上の筋力低下があり、針EMGを行ったことがない筋で行う。

 24時間蓄尿→重金属
 
  整形外科にはしびれや運動障害を訴えて来院されることが多く、症状経過から整形外科疾患として説明のつく単神経障害なのか、それとも多発性の神経障害なのかが鑑別のポイントと言えます。末梢神経障害と脊髄神経、脳神経障害との鑑別も必要です。

1.血管性ニューロパチー
 罹患血管のサイズで大型血管炎、中型血管炎、小型血管炎に分けられます。このうち末梢神経障害を起こすのは中型と小型で、疾患としては、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管性肉芽腫症、全身性血管炎性ニューロパチーがあります。

 血管炎性ニューロパチーは多発単ニューロパチーの分布を示すことが特徴。日単位の急速進行をきたす例があります。
 
 <ポイント>
 1.病歴の特徴 例えば小指・環指のしびれ(尺骨神経)で発症しても、典型的には多発単ニューロパチーへと病状が拡大し、病状は日単位〜週単位で比較的急速に進行します。微熱、潰瘍、紫斑などが生じることがあります。

 2.症状の分布 発症初期は症状が限局しており、疼痛も伴うことが多く、急性期の神経根症との鑑別は難しい。末梢性か髄節性かを慎重に判断。

 3.血液、尿検査
  急速な進行の場合は、炎症反応、腎機能の検査、尿検査を行う。
 
 2.慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパシー (chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy;
CIDP)

 CIDPは臨床症状により、典型的CIDPと非典型的CIDPに大別されます。典型的CIDPは対称性の臨床症状を呈し、遠位筋のみならず近位筋にも筋力低下を有すると定義されています。非典型CIDPはそれ以外の臨床症状を呈するもので、非対称型、遠位優位型、神経叢型、純粋運動型、純粋感覚型に分類されています。
 
 症状の伸展は緩徐で数ヶ月単位とされています。神経伝導検査で伝導ブロック、遅延などの脱髄所見がみられます。血管炎と同様に症状のない神経、肢にもみられることがあります。画像診断では、慢性経過の脱髄と再髄鞘化により、高度の神経肥厚が生じることがあります。エコーやMRIで検索します。
 
 
<下肢のしびれ>


 下肢に限局したしびれは、血流障害と神経障害に分かれます。

 神経障害:末梢神経障害、神経根障害、脊髄障害
 血管障害:ASO,バージャー病、腹部大動脈瘤、大動脈解離、静脈のうっ滞

 まず血流障害の有無をチェック。そのあと神経障害を診ます。

<血流障害の評価>

 1.下肢虚血
 病歴:動脈硬化リスク、血管性跛行
 身体所見:下肢皮膚温、色、足背動脈の拍動、腹部や鼠径部の血管雑音
 ・急性発症:腹部大動脈解離、大動脈瘤、下肢動脈血栓閉塞・・・・検査:下肢・腹部血管エコー、造影CT
 ・慢性経過:末梢動脈疾患、腹部動脈瘤・・・・検査:ABI、下肢・腹部血管エコー

 2.下肢うっ血
 病歴:慢性経過の下腿浮腫、むずむず脚症候群、夜間のこむら返り、下肢の発赤、疼痛
 身体所見:下腿浮腫、表在性静脈怒張、色素沈着、皮膚潰瘍形成、下腿の発赤、圧痛
・下肢静脈不全、肢端紅痛症・・・検査:下肢静脈エコー、血液検査

<障害部位別鑑別診断>

 ・靴下・手袋型の感覚障害、つま先の背屈障害:末梢神経症、下肢から。運動障害はまれ。

 ・単一神経支配領域の障害、またはその組み合わせ:単神経炎(血管炎、絞扼性神経障害)
  総腓骨神経:下腿外側に感覚障害、足関節背屈障害(鶏歩、ドロップフット)
  脛骨神経:踵部の感覚障害、足関節底屈障害、内反障害(外側鉤足)
  深腓骨神経:第1趾と第2趾の趾間部、甲部に限局した感覚障害

 ・デルマトーム、筋節に沿った感覚障害、筋力低下:神経根または脊髄障害
  膀胱直腸障害、下肢深部腱反射亢進、体幹レベルでの感覚障害、脊髄交叉所見、痙性麻痺、神経性間欠跛行、歩行失調
   →なし 神経根症状:腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など:感覚低下は少ない。(支配がオーバーラップ)
   →あり 脊髄疾患:腰部脊柱管狭窄症、脊椎腫瘍、脊髄梗塞、脱髄性疾患など

 *注 脊髄を圧迫するか根部を圧迫するか、その疾患の状態によって異なります。椎間板ヘルニアなど占拠性病変は、根性、脊髄性いずれの症状もあり得ます。
 *注 高齢者は、血管性、神経性が併発していることもあり、慎重な見極めが必要です。

 *注 肢端紅痛症:上下肢末梢の灼熱感、発赤、皮膚温の上昇。夜間に憎悪。55%が下肢のみ。特発性は、Naチャンネルをコードする遺伝子異常、続発性は、血液疾患(真性多血症、慢性骨髄性白血病など)、膠原病(SEl、RA)、薬剤性、感染症、腫瘍性。
 
<Vesperの呪い〜右心不全と腰部脊柱管狭窄症>

 右心不全があると臥位で脊柱管の内圧が上がり、腰部脊柱管狭窄症の症状が悪化します。就寝後に疼痛のために寝られなくなります。これを「Vesperの呪い」と名付けられています。心不全の指標である脳性Na利尿ペプチド(BNP)が上昇します。右心不全の治療を行うことにより、症状は改善します。

 <多発神経炎との鑑別>

 多発神経炎は人口の2-3%にみられ、55歳以上では8%を占めます。原因としては、糖尿病が最も多く、アルコール49%、アルコール4%、尿毒症4%、遺伝性ニューロパチー4%、薬物・毒物3%、甲状腺機能低下症2%、悪性腫瘍2%、M蛋白血症2%、血管炎による虚血2%、AIDP4%、CIDP3%があります。

 *AIDP:急性炎症性脱髄性多発根神経炎
 *CIDP:慢性炎症性脱髄性多発根神経炎

 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は、2ヶ月以上にわたり進行性または再発性の経過をとり、四肢の筋力低下やしびれ感をきたす末梢神経の疾患(神経炎)です。

 鑑別のための検査:血算、赤沈、CRP、ビタミンB12(正常下限であればホモシステインも測定)、葉酸、FBS,腎機能、肝機能、甲状腺機能、免疫電気泳動、尿定性、尿中B-J蛋白、病歴により薬物・毒物の確認。神経伝導検査(多発性神経炎では、軸索損傷のパターンをとる。)

 *原因は複数であることも多い。糖尿病患者の末梢神経障害100人のうち36人は糖尿病と関係のない疾患であった。
 *中年男性のアルコール症ではビタミンB12欠乏症も注意。喫煙率も高く、肺がんによる腫瘍随伴症状にも気をつけます。
 
   多発性神経炎を引き起こしている疾患の鑑別は、急性の進行なのか、慢性の進行なのかで切り分けると判断しやすい。特発性多発神経炎は年単位で慢性に発症し、足先から左右対象に始まり、感覚障害優位となります。(糖尿病性、アルコール性などの代謝性疾患も同様の経過が多い。)週単位〜月単位で進行する場合、左右非対称の場合、発症時より上肢に症状がある場合、運動障害が中心の場合、感覚性失調がある場合は、ビタミンB12欠乏症、血管炎、膠原病、悪性腫瘍、M蛋白血症などによる多発性神経炎を考えます。 

 ・急性発症:血管炎、Guillain-Barre症候群、ビタミンB1・B12欠乏症、腫瘍随伴症候群
 ・非常に緩徐:遺伝性
 ・左右非対称性:血管炎による多発単神経炎、AIDP,CIDP、悪性腫瘍
 ・近位筋の脱力を伴う:AIDP,CIDP
 ・non-lwngth dependent polyneuropathy:Sjogren症候群
 ・筋力低下が中心:運動ニューロン病(ALS)、多巣性運動ニューロパチー、Guillain-Barre症候群、CIDP、ポルフィリン症、鉛中毒、シャルコー・マリー・トゥース病、
 ・激しい痛み・自律神経障害:small fiber neuropathy
 ・感覚性失調:ビタミンB12
 ・他覚所見にくらべ時間的な感覚障害が乏しい:遺伝性疾患
 
 <多発性神経炎の典型症状>

 しびれは足先から始まり、左右対称性に上向し、下腿半分を越えた後に、手指の感覚障害が出現し、緩徐に進行します。症状は近位に行くに従い、徐々に軽くなる、いわゆる、length-dependent (神経の長さに依存した)に症状を呈します。

 従って逆に以下の症状がある場合は、否定的な所見であり、他の疾患を考慮します。
1.足先以外から発症
2.手足同時発症
3.下肢(特に足首以遠)に症状がない
4.下肢より上肢の症状の範囲は同等もしくは広範
5.下肢の症状が膝上まで来ているのに上肢に症状所見が無い
6.四肢遠位部より近位部の方が症状・所見が強い
7.四肢だけでなく、頭頸部、顔面、体幹にも症状・所見がある
8.非対称性(左右、背側・腹側)

*下肢に症状のないものは、靴下・手袋型ではない。

参考:総合診療 2016.5 しびれるんです! P399

<small fiber neuropathy>

 末梢神経は神経線維の太さにより、大径(large)、小径(small)に分けられます。

線維径 線維の種類 筋力低下 感覚障害 自律神経障害 腱反射
大径 あり 触覚、振動覚の低下
関節位置覚障害
Romberg徴候(+)
なし 低下
小径 Aδ、C なし 温覚・冷覚の低下
疼痛・かゆみ
感覚低下
知覚過敏
錯覚感*1
自律神経障害*2
あり 正常

*1 錯覚感:触るだけで、痛みや冷感を感じる異常感覚
*2 初期は発汗の低下、皮膚は乾燥ひび割れ。代償性に正常部位の発汗は亢進。末梢の血管運動障害として、発赤・腫脹→
蒼白・冷感を繰り返す。そのほか、眼、口腔の乾燥、交代制便通異常、尿閉、インポテンツ。進行例で起立性低血圧。

 小径の末梢神経のみが障害されると、「灼熱感、穿刺痛、電撃痛」といった激しい痛みを感じます。しかしながら、大口径の神経は正常ですので、筋力正常、腱反射正常、また神経伝導速度検査でも大口径の末梢神経を測定しますので、異常所見が得られず、正常と判断されることがあります。

・分類
 length-dependent small fiber neuropathy(LDSFN) 足先から始まり、徐々に上行する (靴下・手袋型)
 non-length dependent small fiber neuropathy (NLDSFN) 後根神経節の障害により、非典型的な分布をとる

* small fiber neuropathyは痛みが強く、「両足裏が焼けつくようだ。」「口の周りが燃えているようだ。」などの症状を訴えることがあります。

・基礎疾患
  LDSFN:Sjogren症候群、サルコイドーシス、SLE、RA、混合性結合組織病(mixed connective tissue disease)、Celiac病、甲状腺疾患、パラプロテイン血症、HCV、糖尿病など
  NLDSFN:糖尿病、甲状腺疾患、VB12欠乏、HIV、Celiac病、むずむず脚症候群、薬剤性、パラプロテイン血症など
 

<傍腫瘍性末梢神経障害>

 悪性腫瘍に合併もしくは数ヶ月から2年ほと゛先行して末梢神経障害が亜急性または進行性に出現します。自己免疫機序が考えられています。臨床症状に応じて、亜急性感覚性ニューロノパチー,
感覚運動性ニューロパチー,自律神経性ニューロパチーに分類されます。特徴は、Large fiber neuropathyが主体の感覚性失調で、Romberg sign(+)、暗部での易転倒性となります。肺小細胞がんが最多ですが、胃がん、腺がん、リンパ腫などでも起こります。small fiber neuropathy が併発または単独で起こることもあり、その場合は疼痛が中心となります。
 
  <Guillain-Barre症候群>

 『Guillain-Barre症候群は非典型例が典型的』 逆説的なタイトルで書かれた特集(総合診療2016.5.P404-409)がありました。Guillain-Barre症候群は、医学を学んだ者なら誰でも知っている病気なのですが、その知っている知識がいわゆる典型例であり、実際には非典型例の方が多いために診断が返って困難となっているのです。それ故にこのようなタイトルを付けて注意喚起をしているようです。

 Guillain-Barre症候群の典型的な症状は、急性に発症する進行性の筋力低下と深部腱反射消失を伴う免疫介在型の多発性末梢神経障害とされます。多くは、呼吸器感染症が先行して1-2週間後に発症します。(3-6割は先行感染がありません。)2-4週間以内に症状はピークを付けて改善します。軸索型は抗ガングリオシド抗体が関与。まず、手足のしびれ感で発症し、その後、四肢の運動麻痺を起こします。(かつての典型例の説明では、しびれはなく運動麻痺のみとされていました。)およそ左右対称の症状で、遠位筋優位もしくは近位筋優位の筋力低下をきたします。また下肢優位もしくは上肢優位のこともあります。筋力低下は進行性で、最終的には四肢麻痺、呼吸筋麻痺(25%は人工呼吸器)となります。異常感覚(90%)、疼痛(60%)、感覚脱失、脳神経麻痺(顔面神経麻痺、球麻痺、眼球運動障害)、運動失調、自律神経障害(頻脈、徐脈、高血圧、起立性低血圧、神経因性膀胱など)を起こします。腱反射低下は8割。
 
 臨床亜型として、

・咽頭頚部上腕型
・急性口咽頭麻痺
・facial displegia and paresthesia (FDP)
・下肢型/対麻痺型
・感覚型GBS
・運動失調のみきたす運動失調型
・急性汎自律神経異常症