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整形外科 外科
リハビリテーション科

 本日のコラム55 骨端症 osteochondrosis

 骨端症は、骨端核、一次核、骨突起などに起こる阻血性骨壊死で、血流の遮断や繰り返す小外傷などにより、骨端や成長軟骨板の成長障害が生じます。発育期の長幹骨骨端部、扁平骨の骨化核、腱付着部の骨端核または骨端軟骨に有痛性の無腐性壊死や骨化異常が生じます。レントゲンでは、濃淡不整、分節化、硬化、異常骨化などがみられます。それぞれの疾患の自然経過を知って対処します。多くの骨端症は自然経過が良好で可逆性であるため時間の経過とともに骨組織は修復され数年で治癒するものが多い。ただし自然経過で悪化する可能性のあるものは治療による介入が必要となります。

 オスグッド・シュラッター病 (膝下前面)Sinding-Larsen-Johansson病(膝蓋骨下部)ケーラー病(足舟状骨)フライバーグ病(中足骨骨頭)sever病(かかと)ペルテス病(股関節)Blount病(脛骨)Panner病、Hegemann病(肘関節)などがあります。

 運動に起因するものは、過度の運動を減らし、使いすぎを防ぎます。またストレッチやクールダウンなどをしっかりと行います。

 それぞれに疾患により具体的な治療法は異なりますので、リンク先を参照してください。

*van Neck病:骨端症とも正常骨化過程での「正常範囲内変化(normal variant)」と言われている疾患で、坐骨−恥骨結合部の骨端症です。4-12歳に発症し、漠然として鼡径部痛や殿部痛、また股関節〜大腿部痛、跛行などが生じます。恥骨下枝疲労骨折とまったく同じ部位で起こることから、発生機序も筋肉の緊張などのストレスによると考えられています。治療は安静のみで良好な経過をたどることがほとんどです。長期の経過をたどる場合は、単純性股関節炎、骨腫瘍、骨髄炎などと鑑別を要します。

*骨端症はこれら以外に、鎖骨、上腕骨骨頭、尺骨遠位骨端、手舟状骨、手月状骨、中手骨頭、脊椎椎体、脊椎椎体骨端部、距骨、立方骨、第5中足骨近位粗面部 などでも起こります。