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整形外科 外科
リハビリテーション科

橈骨神経麻痺 radial nerve palsy 後骨間神経麻痺

 橈骨神経は頚椎から出た神経が腕神経叢を形成しそこから橈骨神経、正中神経、尺骨神経などに枝分かれします。

 橈骨神経は腋窩をとおり上腕骨中央あたりで外側をぐるっと回旋して前腕伸側をとおって手指背側に分布します。肘の手前で後前腕皮神経をだし肘を通り過ぎたところで深枝と浅枝に分かれます。深枝は後骨間神経を出し長母指外転筋、長指伸筋、総指伸筋に枝分かれします。

 後骨間神経麻痺が起こると感覚障害は起こらず手関節は背屈しますがMP関節の伸展が出来なくなります。(下垂指)

 橈骨神経麻痺は外傷などでも起こりますし、電車でうたた寝して上腕外側が座席のパイプ等で圧迫されても生じます。症状は後骨間神経麻痺の症状に加えて手関節の背屈障害も出ます。(下垂手)さらに手関節〜1〜4指手背に感覚障害が出ます。

 原因によって治療方針が異なります。神経が断裂している場合は手術を考慮します。

 外傷ではなく外部jからの一過性の圧迫によるものは保存的に治療します。軽度のものですと2-3週間で回復します。2ヶ月経ても改善傾向が見られない場合は手術療法を考慮します。(神経剥離術等)

 下垂手が継続すると手関節の伸展拘縮が起こることがありますので、手関節を固定する装具を装着します。

 後骨間神経麻痺は、原因を精査してそれに応じた治療を行います。
 
本日のコラム288 橈骨神経麻痺

 朝起きたら手が動かないと来院されました。典型的な橈骨神経麻痺です。ご厚意により写真掲載を許可して頂きました。ありがとうございます。




運動麻痺:前腕回外、手関節伸展、MP関節伸展(手関節背屈位)
母指-示指指間部の知覚障害