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整形外科 外科 リハビリテーション科

肩腱板断裂 rotator cuff injury

 肩の腱板とは肩関節を覆うように棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋それぞれの腱で構成された板状の覆いのようなものです。肩を強くぶつけたり、また経年変化でこれらの腱板がちぎれてしまいます。

 転倒や交通事故やクラブ活動で投げ飛ばされて肩を打ったりすると起こります。また加齢による変化で40才以降では知らないうちに断裂が生じていることもあります。利き腕に多いです。

 症状は肩の痛みです。肩関節周囲炎に比べて拘縮することは少なく、一方、筋力低下が見られます。典型的な症状としては肩を上げていくと途中から上がらなくなります。反対の手で支えてやると上がります。完全断裂になると90度以上で支えることが困難です。

 診断はレントゲン撮影、超音波断層撮影、MRIが有効です。

 部分断裂であることが多く、治療はまず保存的に行い、最終的にかなり症状が残る場合は手術も考慮します。保存的治療には、消炎鎮痛剤、外用薬、温熱治療などの理学療法、局所への注射(ステロイドやヒアルロン酸)を行うこともあります。

 ほとんどの場合、こういった保存的治療によく反応して痛みが改善してきます。

 手術療法は、保存的治療で症状が改善せず、50才以下でスポーツや仕事、日常生活で支障がある場合に行います。50才以上でも痛みや引っかかりが強いケースでは手術することがあります。高齢になると腱板自体が脆弱でうまく縫合できないとか、再び断裂することがあります。75歳までは手術適応があるとする施設もあります。

 手術には断裂した腱板を縫合する方法や鏡視下肩峰下除圧術などがあります。
 
本日のコラム191 肩腱板断裂

 手術を行っても、特にプロスポーツ選手の場合は競技復帰が困難であると言われており、どのような症例が手術適応となるのか、意見が分かれています。

 いずれにせよ、断裂の微細な所見はエコーにより明らかになります。また経時的に腱板の厚さや繊維状構造を健側と比較しながら復帰の時期を探るのがこれから主流になっていくものと思われます。