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漢方治療
 
 整形外科でも漢方治療が徐々に浸透してきています。打撲、ねんざ、こむらがえり、腰痛、肩こり、膝の痛み・膝の水、肩の痛みなど手足や身体の痛みに漢方が効果的です。
西洋薬が苦手な方、漢方を試してみたい方はご相談下さい。

 漢方薬は、西洋薬と異なり様々な生薬の組み合わせにより効果を出すようになっており、ひとつひとつの成分は通常少なめになっています。それ故に副作用が比較的少ないとされています。

 こむらがえりに使うツムラ芍薬甘草湯は速効性が高く、痛みが出てから服用しても直ちに効いてきます。風邪に使う葛根湯も比較的早く効いてきます。それ以外の漢方は少し時間が掛かります。

 葛根湯は血流を良くしますので風邪によく使われますが、整形分野では、肩こりや頸部痛などに適応があります。

 慢性の腰痛の場合は、牛車腎気丸など幾種類か使いますが、すぐに効果が出ないこともあり、まず一ヶ月頑張って服用してみてください。短期では効果判定が難しく、次から次に薬を変更してしまうとどれも効果が出ないままになってしまうことがあります。ちょっとしたコツです。
 

費 用  保険適応されます

 
本日のコラム242 整形分野の漢方治療 1

漢方では虚証、実証という考え方に基づいて、治療を行います。

 実証:壮健な人が不健康になった状態
 虚証:虚弱な人が不健康になった状態

このように考えると実証、虚証が分かりやすいと思います。

<痛み止め(NSAIDsと併用)>

実証:越婢加朮湯7.5g 28
虚証:桂枝加朮附湯7.5g 18

<急性腰痛症>

7日まで
疎経活血湯7.5g 53+芍薬甘草湯7.5g 68
8日目以降
疎経活血湯7.5g 68

 芍薬甘草湯は連続投与すると、偽アルドステロン症を引き起こすことがあるので注意します。
 

 
本日のコラム243 整形分野の漢方治療2

<坐骨神経痛>

 牛車腎気丸107 4週間→無効例→当帰四逆加呉茱萸生姜湯38(冷え、間欠性跛行にも) または疎経活血湯53(膝痛にも)

 1ヶ月毎に変更してみて、効果のあったものを服用するというのも一つの方法です。漢方薬はすぐに効果が出る場合としばらく服用を続けて初めて効果が出る場合もありますので、焦らず服用を続けることも大切です。

<間欠性跛行>血管性、脊柱性 いずれにも効果あり

 ツムラ当帰四逆加呉茱萸生姜湯→無効→疎経活血湯53(間欠性跛行+腰痛)または牛車腎気丸107(しびれ、足底違和感、坐骨神経痛) いずれも4週間は服用してみる

<慢性腰痛>

 疎経活血湯53(運動時痛)4週間→無効→当帰四逆加呉茱萸生姜湯38(間欠性跛行、冷え)またはツムラ牛車腎気丸107(しびれ、肋低違和感、坐骨神経痛)

 併用可 
 

 
本日のコラム244 整形分野の漢方治療3

<変形性膝関節症>

防已黄耆湯20 4週間→無効→越婢加朮湯28を併用(麻黄のため高齢者には慎重。血圧上昇あり。むかつき1/2包朝・夕で開始)


<頚椎捻挫、頸椎症>

 桂枝加朮附湯18 4週 →無効→桂枝茯苓丸25 を併用

<打撲、捻挫>

 桂枝茯苓丸25 7.5g 2週間→ツムラ通導散7.5g(大黄3g下痢しやすい) 2週間 またはツムラ治打撲一方89 7.5g(大黄1g)2週間
 

 
本日のコラム248 漢方と副作用 

 漢方薬は、西洋薬と比べて副作用が少ないとされていますが、全く副作用が無いと訳ではありません。漢方薬はさまざまな生薬が組み合わされています。この生薬の種類、量によって副作用が発現してくることがあります。

 例えば、代表的な漢方薬として葛根湯を例にすると、生薬は以下の通りになっています。

ツムラ葛根湯

 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.75gを含有する。
日局カッコン   4.0g
日局タイソウ   3.0g
日局マオウ    3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ケイヒ    2.0g
日局シャクヤク  2.0g
日局ショウキョウ 2.0g

カッコン=葛根: クズ Pueraria lobata Ohwi (マメ科 Leguminosae)の周皮を除いた根を乾燥したもの
タイソウ=大棗:クロウメモドキ科ナツメの果実
マオウ=麻黄:アルカロイド:(l)-ephedrine、(d)-pseudoephedrin、ephedroxane、
カンゾウ=甘草:成分はトリテルペノイド系サポニンのグリチルリチン
ケイヒ=桂皮:クスノキ科トンキンニッケイやその他同属植物の樹皮を乾燥したもの
シャクヤク=芍薬:ボタン科シャクヤクの根を乾燥したもの
ショウキョウ=生姜:ショウガ科ショウガの根茎

 このように複数の生薬が組み合わされています。


 ■麻黄にはアルカロイドの成分としてエフェドリンが含まれていますから、その作用として心臓や血管に働き血圧が上がったり心拍数が上昇しどきどきしたり、また汗が出たりします。

 越婢加朮湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、小青竜湯、防風通聖散

 ■桂皮 発疹、かゆみ


 ■甘草 偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、だるさ)

 ■大黄 下痢 腹痛

 ■附子 血圧上昇、動悸、発汗、のぼせ

 ■オウゴン、ケイヒ:間質性肺炎(小柴胡湯で発現率0.04%)

 副作用が出ない範囲で上手く使い分けることが大切です。虚証、実証の状況によって出やすい副作用と出にくい副作用があります。