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整形外科 外科
リハビリテーション科

上腕二頭筋長頭腱断裂

 上腕二頭筋とは力こぶを作ると盛り上がる筋肉です。二頭とは頭が二つに分かれて腱となって二カ所の骨に付いているという意味です。三頭筋なら三カ所、四頭筋なら四カ所です。

 上腕二頭筋には長頭と短頭とふたつあります。このうち長頭は上腕骨の結節間溝を通って肩関節包に包まれるように走行し肩甲骨の関節窩の上方に付着します。

 この腱が経年変化で脆弱になったり、繰り返し使うことによって断裂することがあります。断裂すると力こぶが大きく出るようになります。なにか最近こんな風に力こぶが出るようになったと心配して来院されるます。

 長頭筋腱が断裂しても実際、肩や肘の動作は問題なく力も少し落ちますが生活には支障がないとされています。昔は手術療法もあったようですが、いまは手術せずに保存的に様子を見ます。

 上腕二頭筋は長頭筋腱ではなく遠位の腱(肘に近い方)で断裂することがあります。これの場合は肘より少し近位を押さえると痛むことがあります。運動や労働での負荷によって生じることが多く、手術を考慮します。
 遠位上腕二頭筋腱断裂 distal biceps tendon tear

 米国の報告では30-60歳の男性にみられ近位の断裂が97%、遠位は3%とされています。日本では珍しい疾患です。バーベルを持ち上げたり強いが威力が働くとポップ音とともに断裂します。断裂すると二頭筋の筋腹がポパイのように膨らみます。

 成書では受傷3週間までに手術を行うのがよいとされています。手術をしない場合は肘関節の屈曲力が30%、前腕の回外力が25−50%ほど筋力低下します。