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整形外科 外科リハビリテーション科

フライバーグ病 Freiberg disease

足部骨端症(無腐性骨壊死)のひとつです。第2ケーラー病とも呼ばれています。第2(~第5中足骨)骨頭に生じます。特に第2中足骨骨頭(先端部分)が循環障害を起こし徐々に変形することが多いです。原因ははっきりとは分かっていませんが、外傷や繰り返して体重をかけたり、ハイヒール着用による過背屈、足底の横アーチが崩れた状態が続くと起こりやすいです。

病態と原因

項目

内容

好発部位

第2中足骨骨頭(まれに第3〜第5にも発症)

病態

軟骨下骨の虚血 → 骨壊死 → 骨頭変形・圧壊

原因

明確ではないが以下が関与:
・外傷
・繰り返しの荷重(スポーツ、長時間歩行)
・ハイヒールによる過度な背屈
・足底横アーチの崩れ


早期発見が重要で同部に痛みがあればレントゲン検査や超音波断層撮影を行います。それでも所見がはっきりしない場合はMRIによる精査をします。

*MRIでは早期に骨頭部分の信号変化が出ます。

レントゲンは初期に関節面が広がっていき骨端部の硬化が生じます。進行すると中足骨骨頭の扁平化、骨融解、圧壊が生じます。

診断

検査

所見

レントゲン

初期:関節裂隙の拡大、骨端部硬化
進行例:骨頭の扁平化、骨融解、圧壊

超音波

骨頭周囲の滑膜炎や関節液貯留の評価に有用

MRI

早期診断に有用:骨頭の信号変化(T1低信号、T2高信号)を検出可能


変形やMRIで骨頭部分で信号の変化が見られる場合はその部分に体重が掛からないように足底板を作成します。走ったり長距離を歩くのは控えます。数年かけて進行しますのでその間は足底板を装着します。

疼痛が持続する場合は手術を考慮します。

子供の場合は足底板などで良好な成績を得られますが、時に手術が必要なこともあります。

<分類>

stage1 軟骨下骨の微小骨折
stage2 骨頭の圧壊による関節面の平坦化
stage3 骨頭の圧壊が進行、辺縁に骨性の隆起が出来る
stage4 辺縁の骨性隆起が遊離体となったもの
stage5 骨頭の完全な平坦化(陥凹)

*stage1,2は保存療法、stage3,4,5は観血手術

フライバーグ病の治療方針(ステージ別)

ステージ

治療区分

主な治療内容

備考

Stage 1

保存療法

- 足底板(インソール)による荷重分散
- 長距離歩行・ランニングの制限
- 痛みが強い場合は免荷処置

経過観察は数年単位で行う

Stage 2

保存療法

- 同上

骨頭の平坦化が軽度であれば保存的に改善可能

Stage 3

手術療法

- 骨隆起の切除
- 関節形成術

保存療法で改善しない疼痛例に限り選択

Stage 4

手術療法

- 骨性隆起の遊離体摘出
- 関節形成術

関節機能温存を目的とした整復術も検討

Stage 5

手術療法

- 骨頭摘出術
- 関節形成術

完全な平坦化例では機能再建が主目的

手術は最後の手段であり、まずは保存的治療を行います。