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整形外科 外科
リハビリテーション科

浮き趾 floating toe

幼稚園児の7割程度が立っている状態で足の小指が浮いていると言われています。この浮く状態を浮き趾と呼びます。この数十年で急速に増えています。屋外での運動が減って屋内中心の生活が原因となっているようです。

またスリッパや大きめの靴は脱げないように指先を上げるようにしますのでその影響もあるようです。いずれにせよ治療は屋外でしっかり遊ぶことでしょうか。対応に神経質になることはありません。なお痛みなどが伴う場合は医療機関を受診してください。

また大人の場合は何らかの疾患の可能性がありますので医療機関の受診をお勧めします。

floating toe の概要

項目

内容

定義

足趾が立位・歩行時に地面に接触せず、浮いた状態になる

好発部位

第2〜5趾(特に第2趾)

原因

足底筋群の筋力低下、足趾伸筋の過活動、足アーチの低下、靴の不適合など

関連疾患

開張足、外反母趾、足底腱膜炎、モートン病など

臨床的意義

歩行効率の低下、バランス障害、足部痛、転倒リスクの増加


原因と病態生理

足底筋群の機能低下:特に短趾屈筋(flexor digitorum brevis)や母趾外転筋(abductor hallucis)の弱化

足趾伸筋の過活動:長趾伸筋(extensor digitorum longus)が優位になり、足趾が伸展位で固定される

足アーチの低下:横アーチや内側縦アーチの崩れにより、足趾の接地が不安定になる

靴の影響:つま先が反り返る形状の靴や、トゥスプリングが強い靴による機械的誘導

外傷・術後:中足骨骨折や足趾の手術後に生じることもある

治療・介入

方法

内容

理学療法

足底筋群の筋力強化(タオルギャザー、足趾グリップ訓練など)

装具療法

足趾パッド、足底板(インソール)による足趾の接地補助

靴の調整

トゥスプリングの少ない靴、足趾が自由に動ける靴の選択

手術療法

重度の場合、中足骨短縮術や腱移行術などが検討されることもある