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信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科
リハビリテーション科

母趾種子骨障害 Hallux sesamoid bone disorder

バスケット、バレーボールのように走ったりジャンプを繰り返す運動、剣道のように足を床に強く踏みつける動作を繰り返していると母趾の種子骨(内側種子骨、外側種子骨)に炎症が起こり痛みが生じます。母趾種子骨は第1中足骨と関節面を形成します。炎症が起こると母趾根部の足底部分に痛みが出ます。中高生アスリートや外反母趾・ハイアーチの方に多く見られます。

レントゲンや超音波断層撮影を行います。進行したものですと種子骨が疲労骨折していたり骨萎縮(骨壊死)を起こすことがあります。外傷性に新鮮骨折が生じた場合はギプス固定を行います。症状や所見によってはMRIを追加します。

保存治療はまず痛む運動を控えます。種子骨の痛むところを少しへこませて免荷する足底板を作成します。ある程度足底板に厚みがないと効果がありません。局所のステロイド注入も効果があるとされています。痛みが解消しない場合は種子骨を摘出することもあります。

保存療法(第一選択)
RICE処置+足底筋群のマッサージ
母趾背屈制限テーピング+荷重誘導インソール
足底板(内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの支持)
体幹・股関節の安定化トレーニング


リハビリの最新プロトコル (病状や痛みによって異なる)

時期

介入内容

炎症期(〜1週)

アイシング・足底筋群マッサージ・非荷重筋トレ

前期(1〜2週)

立位筋トレ・スクワット・体幹強化

中期(2〜4週)

ホップ・ジョギング・母趾背屈角度の左右差確認

後期(4〜6週)

スプリント・アジリティ・対人練習

復帰期(6〜8週)

段階的復帰+再発予防チェック(母趾背屈・圧痛)

手術療法(保存療法無効例)

術式

適応

特徴

関節鏡下切除術

分裂種子骨・骨壊死

靱帯温存・早期復帰

自家骨移植術

分裂種子骨癒合目的

スポーツ復帰率向上

全摘出術

難治性疼痛

母趾屈曲力低下のリスクあり