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整形外科 外科
リハビリテーション科
手のしびれ、麻痺 Numb hands

 手のしびれや麻痺は脳から末梢神経までさまざまな病気で起こります。神経障害が起こると、損傷部位が支配している末梢部分に症状がでます。これらを鑑別し障害部位を特定し治療にあたります。

 脳障害で起こる麻痺は一側の上下肢全体に起こることが多く、いわゆる半身麻痺の形を取ります。(例外もいろいろあります。)

 脊椎での損傷は脊髄とそこから末梢に出ている根部の障害で症状が異なります。脊髄が傷害されると下部は麻痺や感覚障害が出ます。また障害の程度が強いと膀胱直腸障害が起こります。根障害は分布している部位の麻痺や感覚障害が出ます。

 更にそれより末梢になると上肢の場合、正中神経、橈骨神経、尺骨神経に別れ、それぞれ特有の症状を呈します。また走行部位の障害場所によって症状が異なります。特異的な部位で絞扼されるものにそれぞれ病名がついています。正中神経では手関節にところで絞扼されると手根管症候群、尺骨神経は肘では肘部管症候群、手関節レベルではギヨン管症候群と言います。

 これら絞扼性末梢神経障害については別項で解説します。
  
本日のコラム78 口周りのしびれは脳梗塞かも知れません。→ただちに専門病院へ

 朝、目が覚めたら口の周りがしびれていた。これは重要な症状で脳梗塞が生じた可能性が高いので最寄りの専門病院をただちに受診するようにしてください。MRIの検査をするとわかりません。超早期だとCTでは所見が無いことがありますので要注意です。口周りのしびれに加えて、片側上肢のしびれ感がでていれば、まず脳梗塞です。上肢のしびれは口のしびれに遅れて出てくることがあります。

 さて、上肢のしびれだけだとどうでしょう?これは整形外科にも来院される可能性があります。朝起きたら、急にしびれていた。このような場合は、まず脳梗塞の有無を検討します。脳梗塞は急に症状が出ます。そして徐々に進行することがあります。ある日突然、起こった場合は脳梗塞を疑いただちに最寄りの専門病院へ行きます。ここでもたもたしていると脳梗塞の治療が十分できないので、可能な限り、早く受診することです。かかりつけ医の先生に診てもらうより直接、専門病院を救急受診した方が良いです。

 手指だけのしびれ、尺骨神経のみの障害、橈骨神経のみの障害、通常は頚椎以下の末梢神経の障害とされる神経症状でも、特殊な脳梗塞では、同じ症状を起こすことがありますので、くれぐれも間違わないようにしてください。急速に起こった場合は、脳梗塞の可能性があります。