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整形外科 外科
リハビリテーション科
 

 
大腿骨内顆骨壊死 Osteonecrosis of medial epicondyle Femoral Head

 中年以降の女性に多く、大腿骨の遠位端で膝関節を構成する内顆で骨壊死が起こります。原因はよく分かっていませんが、ステロイドで起こることがあります。原因が不明のものを特発性といいます。

 膝の痛みで発症します。レントゲン撮影で内顆に骨壊死が認められます。ただし早期の場合はレントゲンには写らないことがあります。このような場合、MRIを行うと早期でも信号の変化が出ており診断できます。

 治療は、まずは保存的治療を行います。痛み止め、注射、装具、筋トレ、ストレッチなどが有効です。

 これらの治療に抵抗する痛みが続くようでしたら手術療法を検討します。
 
 
本日のコラム255 大腿骨内顆壊死

 大腿骨の膝関節部分が壊死を起こす病気です。最初は膝の痛みで始まることが多いです。また初期にはレントゲンには変化が無く他の病気と間違われてしまうこともあります。MRIは早期に変化が出ますので、怪しいと思ったら精査する方が良いと思います。

 下の写真は、実際の患者さんのもので、許可を頂いて掲載しています。事の起こりは3ヶ月前に膝が痛くなり、近所の整形外科に来ましたが改善せず、当院を受診をされました。

 当院で行ったレントゲンでは、大腿骨内顆壊死がしっかりと写っています。

 今回の痛みは、拘縮による膝周辺の筋腱部の疼痛が強い印象があります。またその原因として関節水症があり、穿刺吸引を行いヒアルソン酸注入、ならびに膝の伸展ストレッチを指導しましたところ、引きずるように来院されていたのが、膝がかなり伸びて痛みもかなり改善して帰って頂けました。

 しばらくストレッチをしっかり行うことによって、痛みは更に改善すると考えています。それでも残る痛みは、壊死による症状の可能性もありますが当面は保存療法を行って頂く予定です。

 左膝の大腿骨内顆壊死

左膝屈曲位での超音波像 軟骨面が大きく変形しています

右膝、比較用 こちらは軟骨面はスムーズになっています(多少OA変化はあります)
 
 
 
本日のコラム593 膝関節骨壊死症

 特発性、二次性、関節鏡術後の3種類がある。

1.特発性 50歳以上の中高年。急激な膝関節内側痛で発症する。男性<女性。夜間痛や荷重時痛がでる。軟骨下脆弱性骨折が原因。(内反変形や半月板損傷が関与)早期例は保存療法で症状消失するが長期間かかる。大腿骨内顆に多いのは他に比べて血流が乏しいためとされる。脛骨病変は稀。予後規定因子(病巣の大腿骨顆部に占める割合、肥満、骨粗鬆症、高齢、koshino分類StageIII,IV)
2.二次性 ほとんどがアルコールやステロイド。脂肪細胞を膨化させ骨内圧が上昇し虚血。45歳以下の若い年齢に起こる。大抵は両側性で女性に多い。痛みは徐々に増大。
3.post-arthroscopic 膝骨壊死 稀。半月板切除や軟骨形成術などの術後6−8週以降に生じる。関節鏡手術後の4%。半月板切除後に接触圧の変化に起因する。

 特発性膝骨壊死の単純X線分類 koshino分類
 StageI  症状+ 画像所見−
 StageII  荷重部の平坦化と骨吸収像 軟骨下骨の骨硬化像
 StageIII  荷重部軟骨下骨の陥凹
 StageIV  変性+ 関節裂隙の狭小化と骨棘形成

保存治療;病巣部が3.5平方p未満、顆部に対する割合45%未満のStage1。消炎鎮痛剤、筋力強化、ヒアルロン酸関注、免荷、外側足底板、ビスフォスフォネート、パルス磁気刺激。
手術治療;進行例。人工膝関節単顆型置換術、人工膝関節全置換術、高位脛骨骨切り術、骨移植、関節鏡、core decompression、骨軟骨柱移植など