くる病とは、子ども時代にビタミンDやリンの不足で骨がしっかり石灰化できず、軟らかくなって変形してしまう病気です。O脚や低身長、肋骨が珠のように膨らむ「肋骨念珠」、頭蓋骨の柔らかさなどが特徴で、歩き始めが遅いこともよくあります。近年は母乳栄養や日光浴不足、偏食が原因で再び見られるようになっており、単純X線では骨の端が杯状にくぼんだり毛羽立ったりする特徴的な所見がみられます。血液検査ではアルカリホスファターゼが高く、リンが低いのがポイントです。ビタミンDとカルシウムの補充で改善しますが、遺伝性の低リン血症型では薬物治療だけでは変形が残り、手術を必要とする場合もあります。
くる病 Rachitis 骨軟化症 osteomalacia
いずれもビタミンDの不足で起こる病気です。小児(骨成長期)の場合はくる病を、大人(骨成長後)の場合は骨軟化症を起こします。
くる病・骨軟化症と骨粗しょう症はいずれも骨が弱くなりますが、骨の成分の割合が同じまま全体として減るのが骨粗しょう症で、くる病・骨軟化症は骨成分である骨基質と骨塩のうち骨塩が減る病気です。
くる病はビタミンDの不足で起こることが多かったのですが、今は食生活の改善が進み減少しています。ビタミンDの活性酵素の障害やビタミンDの受容体の異常によって起こることがあります。
くる病の症状は、低身長、頭蓋骨の軟化、下肢の変形、肋骨念珠、胸郭や脊椎の変形が起こります。
治療はビタミンDの投与を行います。低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の場合は、リン製剤もビタミンDに追加します。
骨軟化症はくる病と同じようにビタミンDの不足で発症します。ただし最近は食生活の改善により食事性のものは減っており、ビタミンD抵抗性くる病の成人型が増えています。
参考:『整形・災害外科 2021.8 整形外科領域の稀少疾患診療』 / 『整形・災害外科 2024.4 薬物療法が奏功する整形外科疾患』 / 『Orthopaedics』2022年11月号「こどもの脚(足)の診かた」 / 『関節外科』2021年3月号「整形外科疾患に対する最近の新薬」 / 『これが私の小児整形外科診療 改訂第2版』