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整形外科 外科
リハビリテーション科

上殿皮神経障害 SCN-EN

 上殿皮神経は腸骨稜近辺で胸腰筋膜を貫いて臀部に至る皮神経です。筋膜から出るところで絞扼(締まってしまうこと)されると臀部に痛みが出ます。しゃがんだり座ったりすると痛みが出たり強くなったりします。

 絞扼部位を押さえると臀部に痛みが放散します。MRIでの画像診断は困難です。超音波断層で腸骨稜縁での低輝度層が厚かったという報告があります。治療は消炎鎮痛剤の投与、神経ブロック、改善しない場合は手術療法を考慮します。

 見逃されることが多く殿部痛を起こす他の疾患と間違われたり、併発したりします。両側性に発症することもあります。
 
 本日のコラム393 上殿皮神経障害


 上殿皮神経障害がNHKで報道されてから、認知度が上がったために当院でも電話による問い合わせが来るようになりました。上殿皮神経障害は、腰の筋膜を貫いて分布する神経が絞扼されて起こります。坐骨神経領域に痛みが生じることから、誤診されるケースもあるようです。

 当院では、この絞扼による障害を超音波ガイド下に筋膜リリース(ファスチアリリース)を行い、症状改善をはかっています。結構痛いケースでもリリースにより随分と楽になりますので、困られている方はご相談ください。

 なお、自己診断で別の疾患を上殿神経障害と思われているケースもよくあります。これもまた本来の疾患をきちんと治す必要があります。