表紙に戻る
池田医院へようこそ
信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科
リハビリテーション科

化膿性股関節炎 Septic arthritis of the hip

 新生児や乳幼児に多い病気です。特に未熟児で生まれた子供は免疫系の発達が遅れ感染しやすいです。大人は少ないですが、時に起こりますので鑑別診断としては頭に入れておく必要があります。

 生後〜乳幼児期に多いのは骨の構造によります。最初、骨幹端という骨の端より少し中央側に血液から細菌が運ばれ骨髄炎を起こします。その後、更に骨端軟骨をこえて骨頭へ感染が進展して股関節炎を起こします。

 診断のポイントは発熱と股関節の痛みです。新生児〜乳幼児は痛いと言えませんから足を動かさない、動かすと激しく泣くなどの症状を見逃さないようにしてください。股関節炎に先立って咽頭炎や風邪などの症状が起こっていることもあります。

 治療は、診断がつき次第、ただちに切開してドレナージを行います。関節鏡を使ったドレナージも最近では行われています。
 後遺症として、関節や軟骨の破壊が起こり成長障害を起こすことがあります。手術までのタイムリミットは4日という報告もあります。この病気は緊急の処置を要すると考えてください。

 おおよその流れ 診察→レントゲン→超音波検査→(MRI)・血液検査→関節穿刺→手術
・MRIは可能であれば、当日に。間に合わなければ、術後に行う。MRI検査は骨髄炎の有無により抗生剤の投与期間も変わるので重要。

 成人の化膿性股関節炎はまれです。ただまれが故に診断がつかず時機を逸してしまわないようにします。