内反肘とは、子ども時代の上腕骨顆上骨折後に肘が内側に曲がったままになる病気です。発生率は10~57%と高く、単に見た目が気になるだけでなく、将来的に肘の不安定や変形性関節症、小指や薬指のしびれを引き起こすこともあります。変形は内反だけでなく、肘が伸びきったり内側にねじれたりする3次元的な問題であり、自家で治ることはほとんどありません。内反角が10°以上になると、手術による矯正を検討する時期とされます。特に8~12歳の成長期に矯正すると、骨がしっかり治りやすく、長期的な合併症を防ぐことができます。
内反肘・外反肘 cubitus varus,cubitus valgus
もともと肘はまっすぐ伸ばしたときに外側に5-15度曲がっています。それが内側に曲がったものを内反肘、それ以上に外側に曲がったものを外反肘と言います。
子供の頃に上腕骨の遠位(肘に近い部分)を骨折すると骨を伸ばすためにある骨端軟骨が障害されて成長とともに肘が外側もしくは内側に曲がってしまうことがあります。
内反肘は上腕骨顆上骨折の後遺症で、外反肘は上腕骨外顆骨折の後遺症で起こります。
強く曲がって外見上問題がある場合は手術を選択することもあります。
外反肘は遅発性尺骨神経麻痺といって骨折後、20年を経て肘の部分で尺骨神経を圧迫して障害を起こすことがあります。当初は小指と薬指外側のしびれがでます。また前腕の内側もしびれることがあります。
治療方針
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状態 |
治療内容 |
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軽度変形 |
経過観察(機能障害がなければ) |
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変形+症状あり |
矯正骨切り術(10歳前後が多い) |
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神経症状あり |
尺骨神経前方移動術、偽関節癒合術 |
症状が軽ければ、内服やリハビリ(理学療法)を行いますが、症状が改善しない場合は、神経移行術、骨切り術が選択されます。
遅発性尺骨神経麻痺は手術を必須とする施設が多いです。保存的治療では一時的な改善はあってもいずれは手術を必要とし、神経障害が進まないうちに行う方が良いとされます。
参考:『神経障害性疼痛』