内反肘・外反肘 cubitus varus,cubitus valgus
もともと肘はまっすぐ伸ばしたときに外側に5-15度曲がっています。それが内側に曲がったものを内反肘、それ以上に外側に曲がったものを外反肘と言います。
子供の頃に上腕骨の遠位(肘に近い部分)を骨折すると骨を伸ばすためにある骨端軟骨が障害されて成長とともに肘が外側もしくは内側に曲がってしまうことがあります。
内反肘は上腕骨顆上骨折の後遺症で、外反肘は上腕骨外顆骨折の後遺症で起こります。
強く曲がって外見上問題がある場合は手術を選択することもあります。
外反肘は遅発性尺骨神経麻痺といって骨折後、20年を経て肘の部分で尺骨神経を圧迫して障害を起こすことがあります。当初は小指と薬指外側のしびれがでます。また前腕の内側もしびれることがあります。
治療方針
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状態 |
治療内容 |
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軽度変形 |
経過観察(機能障害がなければ) |
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変形+症状あり |
矯正骨切り術(10歳前後が多い) |
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神経症状あり |
尺骨神経前方移動術、偽関節癒合術 |
症状が軽ければ、内服やリハビリ(理学療法)を行いますが、症状が改善しない場合は、神経移行術、骨切り術が選択されます。
遅発性尺骨神経麻痺は手術を必須とする施設が多いです。保存的治療では一時的な改善はあってもいずれは手術を必要とし、神経障害が進まないうちに行う方が良いとされます。
エビデンス:内反肘は自然矯正が乏しい
小児の上腕骨顆上骨折後の内反肘は前額面・矢状面・回旋の三平面性の変形で、矢状面成分は自然矯正されるものの内反(前額面)成分の自然矯正は乏しいと報告されており、遺残変形に対する矯正手術の根拠となります。(Miyake T ら. Int Orthop. 2024)[1]。
エビデンス:外反肘の遅発性尺骨神経麻痺
外反肘に伴う遅発性尺骨神経麻痺に対しては、上腕骨の短縮楔状回旋骨切り術と尺骨神経の除圧により良好な治療成績が得られたと報告されています。(Fan C ら. BMC Musculoskelet Disord. 2022)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Miyake T, Miyamura S, Miki R, et al. Cubitus varus deformity following paediatric supracondylar humeral fracture remodelling predominantly in the sagittal direction: A three-dimensional analysis of eighty-six cases. Int Orthop. 2024;48(8):2091-2099. PMID: 38727804.
- Fan C, et al. Treatment outcome of tardy ulnar nerve palsy associated with traumatic cubitus valgus by supracondylar shortening wedge rotary osteotomy and ulnar nerve in situ tension release. BMC Musculoskelet Disord. 2022;23(1):369. PMID: 35443650.