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整形外科 外科
リハビリテーション科

 
腓骨筋腱脱臼 dislocation of peroneal tendon

長腓骨筋腱は足関節の外果後方を走っていますが急激な力が加わると腱を固定している腓骨筋支帯の腓骨付着部が剥離して腱が腓骨筋溝から脱臼して腓骨に乗り上げるようになります。短腓骨筋腱の脱臼は極めてまれです。超音波断層撮影(エコー)やMRIにて診断します。

急性期は足関節軽度尖足位でギプス固定を6週間行います。陳旧例は手術を考慮します。急性期の保存治療(軽度尖足位ギブス固定)での治癒率は50%と低く、スポーツ復帰など確実性を求める場合は手術を考慮します。
 
症状 説明
外果後方の痛み・腫脹 捻挫と類似し、見逃されやすい
腱の乗り上げ感 外果の前方に腱が移動する感覚
不安定感 足関節の外側に力が入らない、踏み込み時の違和感
再脱臼 力を入れた際に繰り返し脱臼することがある

治療法

分類 方法 詳細
急性期(新鮮例) 保存療法 - 軽度尖足位でのギプス固定(4〜6週間)
- 松葉杖で免荷
- 治癒率は約50%とされ、再脱臼のリスクあり
陳旧例・再発例 手術療法 - 上腓骨筋支帯の再建
- 腓骨筋溝の深掘り(groove deepening)
- 仮性嚢の切除
- 術後はギプス固定+段階的リハビリ

リハビリとスポーツ復帰

保存療法後:12〜15週でスポーツ復帰を目指す
手術後
ギプス固定:2〜3週間
可動域訓練 → 筋力強化 → 動作訓練
約12週で競技復帰可能(個人差あり)

注意点

テーピングやサポーターでは根本治療にならない
スポーツ選手や再発例では手術が第一選択となることが多い。