表紙に戻る |
池田医院へようこそ | |||||||||||||||||||||||||||||||
信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして |
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
整形外科 外科 リハビリテーション科 |
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
線維性骨皮質欠損 fibrous cortical defect 非骨化性線維腫 nonossifying fibroma 線維性骨皮質欠損(fibrous cortical defect)および非骨化性線維腫(nonossifying fibroma)は、いずれも小児期に好発する良性の骨病変です。膝の痛みを訴えて受診した小児に対してレントゲン撮影を行うと、大腿骨遠位内側に1センチ大の円形または楕円形の透亮像が認められることがあります。 非骨化性線維腫は、線維性骨皮質欠損と組織学的に同一であり、以前は区別されていましたが、現在のWHO分類では同一疾患とされています。病変の大きさや骨髄腔への進展の程度により、皮質内に限局するものを線維性骨皮質欠損、より大きく骨髄腔に及ぶものを非骨化性線維腫と呼ぶことがあります。 いずれの病変も無症候性で偶発的に発見されることが多く、画像所見が典型的であれば生検は不要とされています。X線では、辺縁が明瞭で硬化を伴う偏心性の透亮像として描出され、骨膜反応や石灰化は通常認められません。MRIではT1・T2強調像ともに低信号を示すことが多く、線維性組織を反映していると考えられています。 ただし、病変が大きく骨長径の50%以上を占める場合や、病的骨折をきっかけに発見された場合には、掻爬術と骨移植を含む外科的治療が検討されます。特に、骨皮質が著しく菲薄化している場合には、骨折のリスクが高まるため注意が必要です。 思春期以降には自然消退することが多く、予後は極めて良好です。したがって、典型的な画像所見を有する場合には、定期的な画像フォローアップによる経過観察が基本方針となります。
この表は、FCDとNOFを「成熟度や大きさの違いによる連続体」として捉え、統一した名称で扱っています。組織学的には同一であり、WHO分類でも統合されています。 |