原因別腰痛・背部痛の特徴
1.椎間板性
障害された椎間板のレベルにもよりますが、多くは左右差があっても腰の下部全体に痛みが出現し、椎間板に圧力が掛かる座位や前屈位で痛みが増強します。前屈制限が強く、背屈はそれほど痛みが出ないことが多い。椎間板は前屈すると内圧が上がるので痛みが強くなります。同様に咳やくしゃみでも圧が上がって痛みが誘発されます。
2.椎体終板障害
Modic I型(II型 III型は痛みが出ない)の場合は、慢性の腰痛で起床時に強い。椎間板性に比して前屈での痛みは少なく可動域制限も少ないとされています。
3.筋
慢性痛(脊柱の変形など)
立位を持続すると痛みが出てくる。歩いていると筋痛が強くなり休むと改善する。座位も長く続けると痛みが出てくる。立位の保持は早期に痛みが出て座ると改善する。
急性痛
前屈時より背屈時の痛みが強い。側屈では反対側に痛みが出る。傍脊柱筋に圧痛。
4.椎間関節
片側の限局した痛み。体動時痛。背屈や痛みある方への側屈や回旋で増強。
5.骨粗しょう症性椎体骨折
背中の痛みを訴えるが、特に寝起きするときの痛みが強く、起きてしまう、寝てしまう状況になると痛みは軽減して歩行することも可能であることが多い。障害部位よりやや下方の傍脊柱に痛みを訴えることが多い。叩打痛は明らかでないこともある。
5.分離症
若年者の場合、前屈は問題なく、伸展時に痛みが生じる。歩行ではいた見なく、運動負荷にて痛みがでる。
壮年期以降では、腰の進展時の痛みがつよく、立ち上がって伸ばすと痛い。変形や変性が加わると症状が多彩となる。
6.脊椎腫瘍や感染性性疾患
夜間痛安静時痛が特徴。体位に代わらず痛みがある。
7.脊椎関節炎
脊椎関節炎(spondyloarthritis: SpA)は更に、強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患を伴う関節炎、ぶどう膜炎関連脊椎関節炎などのタイプに分類されます。腰痛や背部痛で初発症状とすることが多い。数ヶ月単位で症状の寛解と悪化を繰り返す。仙腸関節部に朝のこわばりや痛みが生じる。動いていると改善してくる。
7.下肢症状を伴う腰痛
腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどでみられる。梨状筋症候群でも腰痛を訴えることがある。
8.慎重な対応や緊急性の高い腰痛
慎重 動作とは関係の無い痛み、安静時痛、夜間痛、時間経過で改善しない、発熱や全身症状のあるもの、腹痛や胸痛のあるものは救急対応
緊急性 突然発症した激烈な痛み、胸部痛、腹痛をともなう腰痛 急性大動脈解離、大動脈破裂、心筋梗塞。→救急対応 高次医療機関へ