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整形外科 外科
リハビリテーション科

踵骨骨折 fracture of the calcaneus

 かかとに触れる骨です。高所よりの落下、飛び降りで起こることが多いです。転位すると歩行障害や偽関節を起こすことがありますので、用手整復を行い、6-8週間のギプス固定をします。手術方法の進歩により、近年では積極的に手術が行われています。 
 
  
踵骨骨折

 全骨折の約2%を占め、足根骨折の中では最も頻度が高く、その70−75%は距骨下関節を含む関節内骨折とされています。骨癒合は良好だが、疼痛の遺残などが問題となっています。骨折型、解剖学的整復位と予後は必ずしも相関しない。→治療法の選択は意見の一致をみていない。

<踵骨関節外骨折>

 保存治療:転位のない前方突起骨折、踵骨体部や載距突起を含む踵骨中央部骨折→転位が2mm以下、6週間外固定・免荷
        転位が2mm以下の後足部の突起および結節骨折 2-3週間外固定ののち、部分荷重開始

 手術治療:転位した前方突起骨折、アキレス腱の付着する隆起部骨折

<踵骨関節内骨折>

1.早期運動療法と装具療法
 転位のないもの〜3mm程度までの転位は保存治療。関節面の転位が大きいものは整復。受傷直後は、安静、患肢挙上、アイシング、短期間のギプス固定、弾力包帯固定。その後、疼痛に応じて一週間以内に早期可動域訓練を開始。足関節の底屈、背屈だけではなく、内がえし、外がえしの距骨下運動を行うことが重要。足部の腫脹が軽減すれば、アーチサポートを装着し、受傷5-6週間で部分荷重を開始。

 骨萎縮や関節拘縮予防のため、ギプス固定や免荷期間は長期間にならないようにします。

2.徒手整復 
 腰麻下に受傷3日以内に行うようにします。整復後原則的にはギプス固定は不要。足関節尖足位で前足部荷重装具。早期運動療法。1ヶ月でプール歩行、2ヶ月でアーチサポート+杖で歩行開始。3ヶ月ですべて除去して歩行。

*転位のある踵骨関節内骨折の治療に関して、保存治療より手術治療が優れているとするはっきりとしたエビデンスは無い。

<保存治療の合併症と後遺障害>

 長期免荷による骨萎縮、関節拘縮や疼痛、距骨下関節症、外側壁の突出による腓骨筋腱や腓腹神経の障害、扁平足、後足部の内反変形、踵部の拡大など→治療:鎮痛剤、靴の修正、関節内ブロック、活動制限などが行われるが、治療に難渋することも多い。→骨切術、関節固定術を行うことも。