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整形外科 外科 リハビリテーション科

 
子供の歩行障害 gait disturbance in childhood

 子供の歩行障害(跛行)は、痛みのためか、関節の拘縮なのか、筋力不全なのかを判断します。

 ・歩行障害の種類
 
1.軟性墜下跛行(Trendelenburg gait)→中殿筋不全
2.分回し歩行(circumduction gait)→関節拘縮
3.痙性跛行(spastic gait)→痙性麻痺
4.あひる歩行(waddling gait)→体幹を動揺させて歩く→神経筋疾患や弛緩性麻痺
5.内旋歩行(うちわ歩行、Toe-in gait ):膝が内側に向いて歩く→大腿骨の過大捻転→股関節の内・外旋角度の異常。膝は正中を向いているが、足先のみが内側を向いた歩行→足自体の変形

 ・ゆっくり歩くと正常だが、速く歩くと内旋歩行:下肢軸やそれぞれの関節に変形が無ければ、特に病的ではなく、成長と共に自然に改善することが多い。

 ・四肢の変形がある場合は、弱い力で痛み無く容易に矯正されるかどうかを診ます。容易に矯正される柔らかい変形は生理的な変形で、矯正されない固い変形は病的なものが多い。

 ・全身の関節が弛緩していないかチェック 足関節過度背屈、膝の過伸展、肘の過伸展、母指の前腕屈側への接触、手指の過伸展(MP関節が過伸展し前腕背側と並行になる。痛がらない。)

 <うちわ歩行・そとわ歩行>

 うちわ歩行とそとわ歩行はそれぞれ内旋歩行(Toe-in gait)、外旋歩行(Toe-out gait) と呼ばれる歩容障害です。原因はさまざまで、麻痺性(脳性まひ、二部脊椎など)、変形性(大腿骨、脛骨、足部)などがあります。

 うちわ歩行:前捻角症候群(大腿骨頸部の前捻角の増大)、O脚変形に伴う脛骨内転、先天性内転足など
 そとわ歩行:大腿前捻角の減少、外反足、特発性の脛骨外念

 いずれも成長過程での生理的範囲内のものも多い。


 前捻角症候群とは:股関節で骨頭と臼蓋が成す角度が前捻、すなわち骨頭が前に回旋していると、このままでは関節の収まりが悪いので、内股歩行となり、腹臥位で内旋が70度以上となります。

 内転足とは:前足部が内転している状態