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整形外科 外科 リハビリテーション科

成長痛

成長痛 growing pain

昔からよく言われる「成長痛」ですが、はっきりとした原因は分かっていません。3-8歳によくみられる夜間の膝や下腿の疼痛で、痛みにより泣いたりしますが、翌朝はケロッと治って普通に動くのが特徴です。それゆえ朝になっても痛みが続くようですと他の病気やケガの可能性が高いと言えます。もちろん夜間痛のみの他の病気のこともあります。

診断は他の病気(骨折、捻挫、炎症、感染、筋膜炎、腫瘍性病変)が無いことを確認した上で行います。股関節周りの疾患でも膝や下腿の痛みを訴えることがあるので注意が必要です。

精神的なものでも起こるとされており、例えば、弟や妹が出来てかまって欲しくて心理的に痛みを訴えるといったこともあります。

診断に当たっては他の疾患が無いかどうかしっかり診ることが重要です。ご家族も安易に成長痛だと決めつけずしっかりと診察を受けるようにしてください。

成長痛の典型的特徴

特徴

内容

発症時期

主に3〜12歳の小児に多い

痛みの部位

両側の下肢(特に大腿部、膝周囲、下腿)

時間帯

夕方〜夜間に多く、朝には消失する

検査所見

身体所見・画像検査は正常

痛みの性質

間欠的で、日によって変動する

痛みの分布

多くは両側性だが、まれに片側性もありうる



成長痛 growing pains

骨の成長によって起こる痛みではないので、病名としては用いないほうがよい。夕方から夜間に突然発症する下肢痛で数時間以内に消失、翌日には無症状、身体所見の異常が無く、レントゲンなどの検査にも異常がありません。

 

注意すべき鑑別疾患



白血病(骨関節痛)、若年性線維筋痛症(10歳前後で疼痛部位が多い)、レストレスレッグス症候群(睡眠障害+)
 *成長痛は睡眠障害は起こさない。

Evansの成長痛診断基準

  組み入れ基準  除外基準 
疼痛の持続  間欠的、痛みのない日もある  持続的
片側/両側  両側性  片側性
疼痛部位  大腿前面、腓腹部、膝後面の筋痛  関節痛
発症時間  夕方から夜間  翌朝まで持続
身体所見  異常なし  腫脹、発赤、圧痛、関節可動域制限、跛行
臨床検査  異常なし  血液検査異常、単純X線異常像
日常生活  支障なし  支障あり
エビデンス:家族集積性の一次性疼痛障害

成長痛は幼児期にみられる家族集積性の一次性疼痛障害として再定義が提案されており、レストレスレッグス症候群との関連も指摘されています。(Champion GD ら. Paediatr Neonatal Pain. 2022)[1]

エビデンス:対症療法と安心の説明

成長痛の管理はマッサージや市販の鎮痛薬による対症療法と、良性で自然に軽快する疾患であることを子どもと保護者に説明・安心させることが中心とされています。(Lehman PJ ら. Sports Health. 2017)[2]

エビデンス出典(全2件)を見る
  1. Champion GD, Bui M, Sarraf S, Donnelly TJ, Bott AN, Goh S, Jaaniste T, Hopper J. Improved definition of growing pains: A common familial primary pain disorder of early childhood. Paediatr Neonatal Pain. 2022;4(2):78-86. PMID: 35719219.
  2. Lehman PJ, Carl RL. Growing Pains. Sports Health. 2017;9(2):132-138. PMID: 28177851.

参考:『若手整形外科医のための小児整形外科疾患』 / 『速考!整形外科エッセンス 小児・腫瘍・スポーツ』 / 『リウマチ病学テキスト 改訂第3版』 / 『Orthopaedics』2023年10月号