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整形外科 外科 リハビリテーション科 |
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膝関節水症(水腫) Hydrarthrosis of the Knee
膝関節水症とは、関節内に過剰な関節液(滑液)が貯留した状態を指します。これは、変形性膝関節症(OA)、関節リウマチ(RA)、結晶誘発性関節炎(痛風・偽痛風)、半月板損傷や靭帯損傷などの外傷、あるいは感染性関節炎など、さまざまな原因によって滑膜が刺激され、滑液の産生が亢進し吸収が追いつかなくなることで生じます。 成因変形性膝関節症:軟骨の摩耗により滑膜が刺激され、慢性的な炎症が滑液の過剰産生を引き起こします。関節リウマチ:自己免疫反応により滑膜が肥厚・炎症を起こし、持続的な水腫を伴うことが多いです。 結晶性関節炎:尿酸(痛風)やピロリン酸カルシウム(偽痛風)の結晶が滑膜を刺激し、急性の炎症と水腫を引き起こします。 外傷性:半月板損傷やACL損傷などに伴う滑膜刺激。 感染性関節炎:細菌感染による急性炎症で、膿性関節液を伴うことがあります。早期診断と抗菌薬投与が不可欠です。 治療原因疾患の治療が最優先です。RAや痛風などの基礎疾患に対しては、抗リウマチ薬や尿酸降下薬などを使用します。関節穿刺・吸引:水腫が著明で疼痛や可動域制限がある場合、関節穿刺により滑液を除去します。穿刺液の性状(透明・血性・白濁など)から原因疾患の鑑別にも有用です。 薬物療法: NSAIDsやステロイド(局所注射含む)で炎症を抑制。ヒアルロン酸の関節注射 感染が疑われる場合は、関節液培養と感受性に基づいた抗菌薬投与が必要です。 再生医療的アプローチ: PRP(多血小板血漿)療法やAPS(自己タンパク溶液)療法が、慢性炎症の抑制や軟骨保護を目的に注目されています。 特に繰り返す水腫やヒアルロン酸注射で効果不十分な症例に対して、新たな選択肢となりつつあります。 保存療法・運動療法: 過体重の是正:体重1kg減で膝への負荷は約3〜4kg軽減されるとされます。 運動負荷の調整と筋力強化:大腿四頭筋やハムストリングスの強化により、膝関節の安定性と滑液の循環改善が期待されます。 水中運動など、関節への負荷を抑えつつ筋力を維持する方法も有効 |
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