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整形外科 外科
リハビリテーション科

水中毒 Hyponatremia

水中毒(みずちゅうどく)とは、過剰な水分摂取によって血中のナトリウム濃度が低下し、体内の電解質バランスが崩れる状態を指します。医学的には「希釈性低ナトリウム血症」とも呼ばれ、重症化すると命に関わることもあります。

主な症状

初期:めまい、頭痛、むくみ、倦怠感、頻尿
進行:吐き気、錯乱、性格変化、意識障害
重症:けいれん、脳浮腫、呼吸困難、心不全

原因

短時間に大量の水を摂取(例:1時間以内に3L以上)
精神疾患に伴う多飲症(特に統合失調症など)
薬の副作用(抗精神病薬などによる口渇)
脱水時に水だけを補給し、電解質が不足するケース

予防と対策

水分補給は1日1.2〜2L程度が目安(食事からの水分も含む)
経口補水液やスポーツドリンクで電解質も補う
運動や発汗が多いときは、塩分補給も忘れずに
精神疾患のある方は医師の指導のもとで水分管理を行う

水は命に不可欠ですが、「飲みすぎ」もまたリスクになります。特に夏場や運動時は「脱水」と「水中毒」の両方に注意が必要です。


状態 治療方針
急性・重症(Na < 120mEq/L + 痙攣・意識障害) 3%高張食塩水(100mLを10分で投与、最大8-10mEq/L/24h)
慢性・軽〜中等度 原因治療 + 水分制限(1L/日以下)
SIADH 水制限、食塩経口投与、トルバプタン(V2拮抗薬)
体液量減少型 生理食塩水補液、必要に応じて副腎機能評価
体液量増加型 水・塩分制限、利尿薬、心不全・肝疾患の治療