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| 池田医院へようこそ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして |
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| 整形外科 外科 リハビリテーション科 |
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| 仙腸関節炎 ileosacral arthritis 仙腸関節とは骨盤を形成する仙骨と腸骨をつなぐ関節のことです。左右に一つずつ、一対あります。ここが何らかの外力等でずれると殿部痛、腰痛、そけい部痛、股関節痛、ときに膝痛が起こります。坐骨神経痛とよく間違われます。 鑑別は仙腸関節自体の圧痛、股関節や骨盤にストレスをかけて仙腸関節に痛みが誘発されるかをみます。診断を兼ねて仙腸関節ブロックを行って痛みが改善するかみることもあります。治療は消炎鎮痛剤や理学療法などを組み合わせて行います。 |
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| <仙腸関節障害> 仙腸関節疾患は以下のように分類されます。 1.関節腔内の病変:化膿性関節炎など 2.関節の機能障害:仙腸関節障害
頻度と年齢:9-90歳以上まで老若男女で発症。 画像診断:仙腸関節を含んだ関節の機能障害は画像に変化が現れません。 誘発テスト:SIJ shear test 腹臥位で直接仙腸関節に圧迫を加えるのが感度が高い。 疼痛:椅子に座ると痛く、正座は楽。仰向け、側臥位、寝返り、立ち上がり、朝方の動作開始時の痛み One finger test:最も痛い部位を指一本で示させると上後腸骨棘付近を指す 疼痛部位:仙腸関節外縁部の殿部痛と鼡径部痛、デルマトームに一致しない下肢症状 治療:安静や消炎鎮痛剤、骨盤ゴムベルト、AKA-博多法、ブロック治療(仙腸関節や後方の靱帯部へ局所ブロック注射)、仙腸関節固定術など。 *腰椎後方固定後の仙腸関節障害の合併が注目されている。難治例が少なくない。内固定器を抜去して始めて治療に反応する例も少なくないという報告があります。 |
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以下、LLM(大規模言語モデル)を利用し医師による監修を行った上で解説します。 |
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仙腸関節炎(Sacroiliitis)の包括的まとめ仙腸関節炎は、**仙腸関節(Sacroiliac Joint: SIJ)**に生じる炎症性・機械性・感染性の多様な病態の総称です。整形外科、リウマチ科、救急領域で重要な鑑別診断となります。 1. 仙腸関節の機能と病態生理(基礎)1-1. 仙腸関節の解剖と機能仙腸関節は、体軸(体幹)と下肢との間で荷重を伝える重要な関節です。
1-2.原因
2. 各病態の詳細2-1. 炎症性(体軸性脊椎関節炎に伴う Sacroiliitis)体軸性脊椎関節炎(axSpA)、特に**強直性脊椎炎(AS)や非X線基準体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)**の最も早期に出現しうる病変です。
2-2. 変性・機械性ストレスによる仙腸関節症加齢や、下肢アライメント不良、股関節疾患などによる荷重バランスの破綻が原因で、仙腸関節へのせん断力・回旋ストレスが増大します。
2-3. 感染性仙腸関節炎(Septic Sacroiliitis)まれですが、発熱、強い単側臀部痛、明確な荷重不能という古典的三徴を示します。
3. 臨床症状と診断的アプローチ3-1. 疼痛の局在と誘発試験
3-2. 画像所見1. MRI(早期診断の Gold Standard)
2. CT骨硬化・関節面の不整・侵食を高精度に評価。感染性・腫瘍性病変の鑑別に有用です。 3. X線初期変化の検出感度は低いですが、進行した変性や硬化の補助的手段として用います。 3-3. 診断的仙腸関節ブロック(確定診断)
4. 鑑別疾患と治療4-1. 重要な鑑別疾患
4-2. 治療
5. 注意点
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鑑別診断仙腸関節痛を引き起こす疾患は多彩で鑑別に苦慮することもよくあります。鑑別診断を兼ねて行う仙腸関節ブロックも周辺の痛みが原因で効くことがあり、少なくとも2回は効果判定を行う必要があるとされています。また、MRIで仙腸関節に所見が無くとも疾患自体は否定出来ないとされ、このことは更に診断を複雑にしています。 1.仙腸関節そのものの疾患
2.仙腸関節周囲靭帯・腱・筋膜由来
3.腰椎由来(放散痛がSIJ部に集中しやすいもの)
4.股関節・骨盤帯由来(SIJ痛を模倣しやすい)
5.内臓・感染・腫瘍・神経・その他
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◆「仙腸関節痛は“誤った荷重伝達パターンを正常化する問題である”」とは何を意味するのか仙腸関節(SIJ)は、**脚から伝わる衝撃(地面反力)を体幹へ、体幹からの力を脚へ、双方向に受け渡す“荷重の中継点”**です。 つまり、上半身の重さ・脚からの衝撃・体の回旋など、複数の力が一点に集中する場所。 この中継点で“力の受け渡し方=荷重伝達パターン”が破綻すると、SIJ後方組織(靭帯・関節包・殿筋付着部)に 本来不要なストレスがかかり痛みが生じるという考え方です。 ◆どんな時に「誤った荷重伝達パターン」が起こるのか?例①:歩行時に骨盤が沈み込む(Trendelenburgパターン) 例②:片脚立位・階段で骨盤が回旋してしまう 例③:腰主導のヒップヒンジ/スクワット 例④:着地時に膝で衝撃を吸収しているが、股関節を使えていない
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◆正常な荷重伝達とはどういうことか?●正常→ 股関節まわりの筋が“最初に”力を受け止め、骨盤は水平/非回旋のまま ●誤った荷重伝達→ 力が本来とは異なるルートに逃げ、SIJ後方が代償して炎症・疼痛へ ◆なぜ“筋トレだけ”では改善しないのか?筋力を上げても「力が流れるルート(運動制御の配線)が変わらなければ再燃する」からです。 例:クラムシェルで中殿筋を強化しても上記の誤ったパターンのままだと…
→ 症状は変わらない(もしくは一時的改善→再発) つまり、
◆荷重伝達パターンが改善したかの判断基準(臨床で見える形に)
◆要点を一文にまとめると
◆痛みのある患者は「弱い」のではなく“力の受け止め方(荷重のルート)を間違えて学習してしまった” だけ。だからこそ治療は筋力アップではなく、再学習(運動制御の書き換え)。 |
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◆仙腸関節痛に対する《荷重伝達パターン再学習の“即効ドリル”3種》目的:中殿筋・大殿筋・体幹深部(TrA/多裂)が “正しいタイミング” で同時に働き、脚 → 骨盤 → 体幹 の力の受け渡しラインを正常化すること。 筋トレではなく運動制御の書き換えが主目的。 ▶ ドリル① “骨盤レベル保持 片脚スライド”(臥位 → 立位の中間ステップ)目的:中殿筋(骨盤の水平維持)と腹横筋(体幹深部の安定)の協調的な収縮タイミングを再教育します。●方法1)両足立位 ●cue(教示)
●よくあるエラー
指標:前後外側へ各6往復 × 痛みゼロ → ドリル2へ ▶ ドリル② “スプリットスクワット(骨盤固定型)”目的:大殿筋と股関節を主導的に使い、垂直方向の荷重を仙腸関節に負担をかけずに伝達するパターンを学習します。●方法1)前後開脚 ●cue
●よくあるエラー
指標:左右10回×痛みゼロ → ドリル3へ ▶ ドリル③ “片脚着地 → 1秒安定”(スポーツ・日常動作の最終再学習)目的:**フィードフォワード制御(予測制御)の改善を促します。着地の前に、体幹深部と殿筋が瞬間的に緊張(予期収縮)**し、仙腸関節を安定化させることを学習します。即効性:★★★★☆(予測制御=フィードフォワード改善) ●方法1)軽い前方ジャンプ(または低いステップからの降り) ●cue
●よくあるエラー
指標:左右10回連続・骨盤水平保持・痛みゼロ → 再発リスク低 ◆なぜこの3種が“即効性が高い”のか(理論的解説)仙腸関節痛の本態は
筋トレ・ストレッチではなく、以下の順で“力の流れ”を再学習させることで改善が速い:
→ 荷重 × 骨盤×股関節 × コントロールを ◆進め方の目安(プロトコル)
※疼痛2/10以下で進行。 ◆最後に一番重要なポイント
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仙腸関節が「すべる」「ずれる」ような感覚の解釈について
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「仙腸関節は動作時に“すべる(slip)”」という表現は、専門的には**「仙腸関節の動的不安定性(Dynamic Instability)」や「過剰な微細可動性(Hypermobility)」**を指します。 これは、関節自体が大きくズレる(脱臼する)という意味ではなく、荷重伝達の役割を果たすために許容されているごくわずかな正常な動きが、制御不能な過剰な動きになってしまう状態を指します。 以下に、この「すべり」のメカニズムを具体的かつ視覚的に説明します。 1. 正常な仙腸関節の動き(Load Transfer)仙腸関節は、仙骨と腸骨の間の関節で、体幹からの荷重を下肢へ、または下肢からの衝撃を体幹へ伝える「荷重伝達」の要です。
2. 「すべり(Slip)」が起きるメカニズム(動的不安定性)仙腸関節の「すべり」とは、この正常な許容範囲を超えた過剰な微細可動性が生じ、関節の安定性が破綻している状態です。 制御が失われた「ズレ(Shear Force)」の発生「すべり」が生じる具体的なメカニズムは、主にスタビライザー(安定化機構)の破綻によるものです。 A. 構造的な安定性の低下(フォーム・クロージャ)
B. 筋による動的安定性の低下(フォース・クロージャ)仙腸関節は、以下の**深層の筋肉(フォース・クロージャ・システム)**が収縮することで、関節を締め付け、動的に安定化させています。
視覚的なイメージ
この**「ガクッ」という制御を失ったズレ**こそが、患者さんが訴える「すべる」「外れそうになる」という感覚の正体であり、機械性仙腸関節症の主要な病態生理となります。 |
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