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整形外科 外科 リハビリテーション科

頚椎症性筋萎縮症

頚椎症性筋萎縮症とは、首の骨の変化で運動神経だけが傷み、腕や手の筋肉がやせて力が入らなくなる病気です。痛みは一時的で、その後筋肉がやせてくるのが特徴で、しびれはほとんどありません。40~60歳の男性に多く、肩が挙がらなくなる「近位型」がほとんどで、三角筋や上腕二頭筋(肩や肘を曲げる筋肉)がやせます。若い人では手の筋肉がやせる「遠位型」もいますが、これは別な病気と区別が必要です。筋力の低下は片側だけに現れ、歩きにくくなったり、足に症状が出ることはありません。早期に見つければ、頚椎カラーで安静にしたり、ビタミンB12を飲むことで改善する可能性があります。

・頚椎症性筋萎縮症(CSA)

頚椎症性筋萎縮症は近位型(Keegan型頚椎症)と遠位型(平山病)に分けられます。

遠位型:平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)
C8:指伸筋、尺骨神経支配の手内筋→下垂指が主症状となり、後骨間神経麻痺との鑑別が必要となります。

16歳から20歳代の若い男性に多い病気です。多くは片方の上肢に脱力を感じるようになります。MRIでは患側の脊髄が萎縮しているのがみられます。原因はよく分かっていませんが、成長時の骨と神経の伸びにアンバランスが生じて神経が引っ張られることによって起こるとされています。脊椎を前屈すると脊髄が引っ張られますので症状が悪化します。予後は良好で発症3年ぐらいで症状の進行は止まるとされています。ただ萎縮が強くなると拘縮や巧緻障害が残ります。頚椎カラーを装着することで前屈を制限して症状の悪化を防ぐこともあります。

*遠位型CSA(平山病)は、感覚障害が目立たず、下垂手を呈する例が過半数ですが、尺骨神経支配固有手筋障害が優位な例もあります。

近位型:Keegan型頚椎症

C5:三角筋、上腕二頭筋、棘下筋、腕撓骨筋
C6:円回内筋、撓側手根伸筋

 頚部痛~上肢体の痛みのあとに三角筋、上腕二頭筋、 前腕の回外筋に麻痺が出る病気です。保存的治療で約6割が日常生活に支障が無い程度に回復します。50才以下は8割程度、50才以降は5割程度と改善率が低下します。高齢ほど治りが悪い傾向があります。3-6ヶ月の運動療法を含めた保存的治療で改善を目指します。またVB12やビタミンEの投与を行います。

遠位型、近位型にせよ、類似疾患との鑑別診断が重要となるので、漫然と経過をみるのではなく、神経学的、整形外科的な精査が必要です。

参考:『関節外科』2022年5月号「上肢の麻痺と痛み」 / 『脊椎脊髄・神経筋の神経症候学の基本』 / 『Orthopaedics』2022年7月号「頚椎疾患・症候群対応マニュアル」 / 『関節外科』2022年7月号「運動器慢性疼痛の病態と治療」 / 『関節外科』2021年10月号「増刊号 誤診と見逃しを防ぐ」

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