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整形外科 外科
リハビリテーション科

 os peroneum 障害 os oeroneum disorder


os peroneum は立方骨下面に存在する副骨(種子骨とする文献もある)で、9−10%に頻度で認めます。

立方骨下面を内側に横切り第1中足骨基部内側から底面+内側楔状骨底面に停止する長腓骨筋腱内部に埋没する形で存在します。
長腓骨筋腱が内側に曲がるところにあり、長腓骨筋腱の方向転換を容易にし腱の運動効率をよくする種子骨と言われています。

足関節の捻挫を繰り返している方
長時間の立ち仕事や歩行が多い方
ランニングやジャンプ動作を頻繁に行うスポーツ選手
中年以降の方に多く、両側性は約60%とされています

過度の運動負荷で、時に os peroneum の疲労骨折を含めた骨折が生じたり、分節化します。
また長腓骨筋腱炎や断裂が生じることがあります。症状は立方骨下面の圧痛や長腓骨腱の障害により外側縦アーチの減弱が生じ、足の疲れやすさや足底外側の痛みが出てきます。

原因

内容

Os Peroneumの骨折・疲労骨折

強い牽引力や繰り返しの負荷で骨が割れる

分裂種子骨

先天的に2つ以上に分かれており、動揺性が痛みを引き起こす

腓骨筋腱とのインピンジメント

Os Peroneumが腓骨筋腱結節と衝突して炎症を起こす

腱断裂・腱鞘炎

長腓骨筋腱の部分断裂や腱鞘の炎症が併発することも


診断
レントゲンで立方骨下面に米粒〜小豆大の丸い副骨(2−13mm 平均7mm)として描出されます。MRIや超音波検査が有効。MRIでは長腓骨筋腱の変性、断裂、os peroneum の骨髄浮腫、分節化を認めます。
超音波:動的に腱の状態やインピンジメントを観察可能

治療
保存治療として新鮮例では捻挫に準じた治療を行います。症状が強い場合は、やや外反位でギプス固定する方法もあります。

抵抗性の場合は os peroneum の摘出および長腓骨筋腱の修復(半腱様筋腱を使用 福岡大学医学部整形外科)、断端を短腓骨筋腱に縫着(奈良県立医科大学整形外科)を行います。

保存療法

方法

内容

安静

痛みが強い時期は運動を制限

サポーター・インソール

足部外側の負担を軽減

消炎鎮痛薬

NSAIDsなどで炎症を抑える

注射療法

ステロイド+局所麻酔薬で痛みを緩和

リハビリ

腓骨筋の柔軟性と筋力を改善し再発予防へ


予防とセルフケア
足に合った靴を選び、外側への負担を減らす

運動前後のストレッチとアイシング
足関節の安定性を高める筋トレ(腓骨筋・腓腹筋など