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整形外科 外科
リハビリテーション科

 有痛性三角骨(三角骨障害) os trigonum syndorome

三角骨は距骨の後方突起のひとつである外側結節が(二次骨化中心として距骨に癒合せずに)分離・独立したものとされます。9歳前後(7−13歳)に軟骨が二次骨化中心(骨核)がとして出現し、17歳ぐらいまでに骨化し距骨本体と融合していきます。これが妨げられて分離・独立したままとなります。超音波・MRIでは骨化する前に後方突起部の軟骨成分としてみられますので、14歳以下ではこれを安易に三角骨と診断すべきで無いという考えがあります。

症状としては足関節の後方に痛みが生じます。特徴は足関節を下方に伸ばすと痛みが起こります。クラシックバレーやサッカー選手に多くみられます。原因は足関節を構成する距骨後方に余剰骨として三角骨が伸展時に足関節上面の脛骨下面に衝突(インピンジメント)して痛みを生じます。三角骨の成因(副骨説、インピンジメント説、骨癒合不全など)はよく分かっていませんが約10%の人にみられます。ほとんどが無症状ですが、過伸展する運動を頻繁に行うと痛みが生じることがあります。

治療は局所の安静や底屈を制限するテーピング、サポーターを行います。痛みが強ければシーネやギブスで固定します。生活指導としては伸展を制限するようにします。またステロイド+局所麻酔薬の注射が効果的なこともあります。多くはこれで症状の改善をみますが、どうしても痛みが続く場合は三角骨を取り除く手術をします。スポーツ復帰は術後およそ6週間です。

鑑別としては距骨後突起骨折、アキレス腱付着部症(炎)、腓骨筋腱炎、長母指屈筋腱炎があります。

*三角形ではなく楕円状のものもあります。いずれも距骨後方に位置します。