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整形外科 外科 リハビリテーション科

骨化性筋炎(化骨性筋炎) ossifying myositis

 大腿のところで書きましたが、スポーツ障害としての骨化性筋炎は主に大腿骨周辺の外傷後に起こります。

 特に「モモかん」と言って相手の膝が大腿にあたり筋肉を挫滅して出血を起こした場合が要注意です。

 大腿の前面では受傷直後に膝をくの字に曲げてアイシングと圧迫包帯を巻きます。こうすると直後に起こる出血をかなり防ぐことが出来、経過も良くなります。

 こういった応急処理をきちんとしないで筋肉内に大きな血腫を作ってしまうとやっかいです。これに加えて無理なストレッチやマッサージなどの刺激を与えると骨化性筋炎を起こします。出血した部位に骨がどんどん出来てしまいます。

 一度出来るとやっかいですので骨化させないように当初の応急措置をしっかりと行う。無理なストレッチなどを早期に行わないことなどが重要です。骨化は受傷して3-4週間するとレントゲンで見えてきます。それ以前は超音波断層検査で音響陰影を伴った高エコー(石灰化)像を見つけるようにします。

 骨化が始まる前に無理をせずに局所の安静を保ちます。

 治療は薬として、シメチジンやビスフォスフォネート(子供へは薬剤自体が未確立)を使うことがありますが保険適応外使用となります。
   
本日のコラム558 消えた!骨化性筋炎

 骨化性筋炎は、外傷や手術後などに局所で石灰化が起こり骨化する病気です。骨化が小さいものなら支障が無いこともありますが、大きくなると関節の可動域が障害され日常生活や運動で支障が出ることがあります。有名なのはコンタクトスポーツで相手の膝が太ももに入り、大腿四頭筋が損傷して血腫を形成し骨化するケースです。

 文献や専門書には、骨化は成長して半年ぐらい大きくなる、骨粗鬆症で使うビスフォスフォネートでの保険外使用、ウロキナーゼにより血腫を溶かす治療などが書かれています。

 自然経過が実際どうなるのか、はっきりと書いたものはありませんでした。今回の事例のように局所に負荷を掛けなければ、縮小してレントゲンで見えなくなり、また超音波でも著しく縮小することもあることが分かりました。おそらく、完全な骨化までには至らず、日常生活を普通に送る程度の局所安静の結果、生じた石灰化が吸収されたものと考えます。→海外の文献によると30%〜40%ぐらいは吸収されて消失するとあります。

 従って、受傷後の骨化が完成しないうちは、局所安静により早期であるほど吸収され消失する可能性があり得ることをわかりました。

 早期リハビリの時代ですか、この病気だけは無理をしないことが重要となります。
 

初診時(受傷2週間目)
 蹴りを大腿に受けて受傷。正座をすると突っ張るとのことで来院。触診で大腿前面の腫れと皮下の硬結を認める。レントゲンでは骨傷なし。超音波では中間広筋内部に高エコーの石灰化を思わせる像を認めました。

*石灰化はレントゲンより超音波の方が遙かに感度が高いです。

直ちに運動を控えて貰っておとなしい生活を指導でしました。
受傷4週間目

 レントゲンで大腿骨前面に石灰化を認めます。超音波では石灰化が成長してくっきりと見えています。

 局所に負担を掛けない生活を継続してもらう。
受傷7週間半

 ご本人よりなんかすっきりしてきました。腫れも触れませんとのこと。レントゲンで石灰化は消失しています。また超音波でもかなり縮小してきています。触診で硬結は触れませんでした。