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整形外科 外科
リハビリテーション科

変形性足関節症 osteoarthrosis of the ankle

 足関節が変形して荷重がかかるときに痛みが生じます。初期には内側から変形し階段や動作時に内側に痛みが生じます。この変形は明らかな原因がない1次性のものと、2次性のものは捻挫や骨折等の外傷、感染後に起こってきます。少しずつ悪化するのでいつケガをしたか記憶が定かで無いことが多いです。

 変形初期は距骨下関節の代償作用により足関節の荷重を分散させますが、それが破綻すると関節内側に荷重が集中して足関節の内反が進行します。

 当初は内側のみの痛みですが、進行すると足関節全体が痛くなります。関節が破壊されてくると変形が強くなり、また健側と比べて腫れてきて、可動域も徐々に低下します。(1次性のものは底屈機能が残存します。)

 治療は湿布、痛み止め、温熱治療など保存的に行うのが原則です。体重の影響も大きいので体重コントロールも大切です。装具は外側ウェッジ足底板、足関節の固定装具が用いられます。痛みが強い場合は手術を行うこともあります。

 2次性のOAを引き起こさないように、当初の外傷をしっかり治しておくことが大切です。

 放置しておくと徐々に変形が進むので、外側wedge型の足底板を装着します。(5,7,9mmと変形に応じて厚みを調整する)

 手術は、下位脛骨骨切り術、下位脛骨斜め骨切り術、人工足関節置換術、足関節固定術などがあります。
  
本日のコラム144 変形性足関節症

 病期分類と保存療法後改善しない場合の処置
 stage1.関節裂隙の狭小化を認めない→不安定性ありは外側靱帯の再建。滑膜増生は鏡視下滑膜切除術
 stage2.関節裂隙の狭小化を認めるが、軟骨下骨組織の接触を認めない→下位脛骨骨切り術
 stage3a.軟骨下組織が内果関節面のみ一部接触している→下位脛骨骨切り術
 stage3b.軟骨下組織の接触が一部天蓋関節面に達している
 stage4.関節面全体にわたって関節裂隙が消失している。

 保存療法:NSAIDsや外用薬、温熱治療、外側ウェッジ挿板。

 60歳以上stage3b以上で6ヶ月間の保存療法でも症状が改善しない場合は人工足関節の適応あり。60歳以上でもスポーツや農作業など活動性が高い場合は、人工足関節では無く、足関節固定術などを選択する。また感染性足関節症や内外反変形が15度以上の高度変形例も行わない。