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信頼とまごころの医療
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整形外科 外科
リハビリテーション科

オーバーユース症候群

オーバーユースは文字通り使いすぎによる障害です。過負荷であったりアライメントの異常、筋力のアンバランス、関節可動域の低下などが原因となります。外的要因として間違ったトレーニング、テクニカルな未熟さ、使用器具の不良などがあります。

一般的には持久力を要するものや反復して動作を繰り返すスポーツで起こります。まず起こるのが、局所の炎症です。これは痛みや発赤、腫れとして自覚しやすい症状です。このときに原因を明らかにして対応すれば、少しの休養期間もしくは練習メニューの軽減、変更で治ります。

これらの症状を無視して我慢しながら行うと更に悪化して動かすことが出来なくなり、下肢ですと歩けなくなります。こうなると治るためにはかなりの期間を要します。初期の段階で思い切って休めることが大切です。

オーバーユースとして腱や腱の付着部炎、滑液包炎、骨膜炎、筋筋膜炎、腱炎、腱鞘炎、疲労骨折などが起こります。

よく見られる疾患例(オーバーユース症候群に含まれる)

疾患名

主な部位

備考

野球肩・野球肘

肩・肘

投球動作による

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

ラケットスポーツ

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

ジャンプ動作

オスグッド・シュラッター病

膝下

成長期に多い

シンスプリント

下腿

ランニングによる骨膜炎

腱鞘炎

手指

タイピングや楽器演奏

疲労骨折

足部・脛骨など

微細な骨損傷


治療の原則は局所の安静です。まず必要な分だけ安静を保ちます。急性期は局所安静とアイシングを、慢性期にはストレッチや温熱治療が有効です。

身体が硬い人は筋や腱に余分な負担がかかりますので障害部位のストレッチを入念に行います。

治療法
安静(最も基本的な治療)
アイシング・温熱療法(症状に応じて)
サポーターや固定具の使用
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
重症例では手術も検討

予防法
トレーニング量・強度・頻度の調整
正しいフォームの習得
適切な休息と栄養補給
ストレッチとウォームアップ・クールダウンの徹底
シューズや器具の見直し

オーバートレーニング症候群とは異なる疾患ですので混同しないようにしてください。