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池田医院へようこそ | |
信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして |
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整形外科 外科 リハビリテーション科 |
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【AIによるSummary】 1. 痛みとは? すべての痛みは脳で感じられ、神経が傷害された部位から脳に信号を伝え、痛覚が生じる。 痛みの感覚はAδ繊維とC繊維により引き起こされ、神経伝達が脳まで続く。 神経受容体は痛みの物質に反応し、痛みが続くと自律神経系に異常が生じる。 2. 神経障害性疼痛とは? 神経障害性疼痛は体性感覚神経系の病変によって引き起こされる疼痛で、末梢神経に病変が存在する場合に生じる。 痛みは侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に分かれ、混合性疼痛もある。 末梢神経の炎症による急性痛も神経障害性疼痛として含まれるが、その評価には賛否がある。 3. 神経障害性疼痛の治療 神経障害性疼痛にはアセトアミノフェンやNSAIDsは効果がなく、プレガバリン、ガバペンチン、抗うつ剤、SNRI、ノイロトロピン、オピオイドが選択される。 痛みの性状を正確に診断し、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛を見極める必要がある。 治療は痛みの原因、急性期から慢性期への移行を考慮して適切な薬物を使い分ける。 4. 神経障害性疼痛の特徴と診断 神経障害性疼痛は持続的で発作性の自発痛、アロディニア、痛覚過敏、しびれが特徴。 診断には傷害神経の解剖学的神経支配に一致した感覚障害の他覚的所見や神経障害を示す検査所見が必要。 5. 神経障害性疼痛の発症メカニズム 末梢神経、脊髄、脳の各レベルでの機能的・可塑的変化が神経障害性疼痛を引き起こす。 変化には感覚系ニューロンの感作、神経線維の発芽、脱抑制や疼痛抑制系の変化、情動的・精神的変調が含まれる。 6. 痛みの処方の実際 痛みの原因を正確に診断し、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の両方が併存する場合、治療は薬物の使い分けと切り替えが必要。 プレガバリン、SNRI、ノイロトロピン、オピオイドなどが神経障害性疼痛の治療に用いられる。 7. まとめ 神経障害性疼痛は様々な特徴を持ち、治療には薬物療法が主に用いられる。 痛みの性状を正確に診断し、適切な治療計画を策定することが重要。 |
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痛みとは? すべての痛みは脳で感じます。傷めた部位から脳まで神経が伝導して脳細胞を刺激して痛いという感覚を起こします。 痛みの感覚には2種類あって、例えば指を切ったりすると最初は太い知覚神経であるAδ繊維が直接断裂などの機械的な刺激が脳に伝わり「痛い!」となり、そのあと更に細い線維であるC繊維の終末受容器に痛みの物質が作用してひりひりした痛みが起こります。終末受容器(侵害受容器)が刺激されて神経伝達(一次ニューロン)が起こり脊髄の後角から脊髄の後索(二次ニューロン)を経て視床に達しそこから三次ニューロンを経て大脳皮質で「痛い!」と感じます。更に大脳皮質から大脳辺縁系につながり「苦痛」であると感じます。 神経受容体には痛みの物質(ヒスタミン、プロスタグランディン、セロトニン、サブスタンスP、アセチルコリン、カリウムイオン、水素イオン、乳酸、アラキドン酸、インターロイキン)が結びついて神経を刺激します。痛みが続くと視床下部を通じて自律神経系の異常が起こります。また不快な症状が続くと大脳辺縁系(大脳外側)を介して精神症状を起こします。また意識を司る脳幹網様体を介して不眠となります。痛刺激による自律神経への影響は交感神経系を刺激して局所の血流の低下を起こします。また発汗を促し皮膚が湿った感じになります。筋肉も収縮し更に血流が低下、痛みの物質が蓄積し症状が悪化します。このように痛みの悪いサイクルが完成しするとなかなか治りにくいことになります。 眠っているときは痛み刺激は脳に達しますが、痛いという感覚は起こりません。あくまでも痛みを感じるのは起きているときのみとなります。 |
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本日のコラム89 神経障害性疼痛とは? 神経障害性疼痛は一般の方にとっては聞き覚えの無い言葉です。国際疼痛学会の定義では「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛」とされています。これでも分かりにくくて難しいです。日本ペインクリニック学会が作成した「神経障害性疼痛薬物療療法ガイドライン改訂第2版」によれば、神経障害性疼痛は「末梢神経から大脳に至るまでの侵害情報伝達経路のいずれかに病変や疾患が存在する際に生じる」とし、「体幹感覚神経系の過敏性と下行性疼痛修飾系における抑制系の機能減弱が発症機序となる。」としています。 痛みには侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に分けられます。(両者の混ざったものを混合性疼痛という。) 侵害受容性疼痛とは「神経組織以外の生体組織に対する実質的ないし潜在的な傷害によって、侵害受容器が興奮して起こる疼痛」と定義されています。平たく言うと、痛みの受容器が障害されて起こる痛みを「侵害受容性疼痛」とし、神経の異常によって起こる痛みを「神経障害性疼痛」と言います。 |
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本日のコラム90 末梢神経の炎症による急性痛は神経障害性疼痛か? 日本ペインクリニック学会が作成した「神経障害性疼痛薬物療療法ガイドライン改訂第2版」によれば、『賛否両論がある(両論併記)』としながらも、『本ガイドラインでは末梢神経の炎症による急性痛は神経障害性疼痛に含めない。』としています。 末梢神経に炎症が生じて急性痛を起こす疾患の代表例として、急性期の帯状疱疹と同じく急性期の椎間板ヘルニアによる神経根症をあげています。(いずれも慢性期は神経障害性疼痛。)急性期の帯状疱疹は、脊髄後根神経節に潜伏感染していた水痘・帯状疱疹ウイルスが神経に炎症を起こし、急性期の椎間板ヘルニアでは、椎間板の髄核が脱出することで神経根や後根神経節に炎症が及んで痛みが生じるとしています。 これも簡単に言うと、これら疾患の急性期には、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛が混在しており、その割合も分かるすべも無いので、ひとまず神経障害性疼痛には含めないでおくとした。(異論もあるので、両論併記となっています。) 神経障害性疼痛にはNSAIDsは選択薬に入っていないのは、こういった理由からなんだと思います。 |
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本日のコラム91 神経障害性疼痛は痛み止めが効かない。 痛みを感じる受容器(侵害受容器)の傷害で起こる痛みには、いわゆるアセトアミノフェンやNSAIDsといった消炎鎮痛薬が効果を示しますが、神経系の傷害による神経障害性疼痛では、効き目がありません。従って市販の痛み止めを服用したけれど、殆ど効かないと言って来られます。 脳では、侵害受容器性疼痛と神経障害性疼痛をはっきりと区別する訳では無く、同じ疾患の経過中にその割合が変化しながら痛みを感じているのだと考えます。痛み止めを服用すれば、侵害受容器性疼痛は改善傾向を示しますが、神経障害性疼痛は残存したままとなります。 神経障害性疼痛の特徴は、神経支配に一致する痛みを起こすことです。侵害受容器性疼痛は侵害受容器が傷害した部位に痛みが出ますので神経支配とは一致しません。ただし、神経周辺の侵害受容器が傷害されるとその神経自体に影響が及び神経支配に一致する痛みが起こります。 例えば、椎間板ヘルニアの髄核が飛び出して神経根を圧迫すると侵害受容器の傷害も起こるために痛みが起こります。そして神経支配に一致した痛みも起こりえます。ただし、その割合を具体的に調べる方法は無く、どの段階でどの程度が侵害受容器性疼痛なのかは分かりません。急性期の痛みは侵害受容器のものが中心と考えられます。 このことから痛みの性状をしっかりと診断し、侵害受容性なのか神経障害性なのかを見極める必要があります。 |
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本日のコラム92 侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の治療薬 侵害受容性疼痛:アセトアミノフェン、NSAIDs、オピオイド 神経障害性疼痛:プレガバリン(リリカ)、ガバペンチン、三環系抗うつ剤、SNRI(サインバルタ)、ノイロトロピン、オピオイド ざっくりまとめるとこんな感じになります。 |
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本日のコラム93 痛みの処方は実際にはどうするのか? まず痛みの原因をしっかり診断をしないと単純に痛み止めを出せば良いというものではありません。整形外科的な痛みは、局所に炎症が起こっている場合(侵害受容性疼痛)と神経が過剰に反応している場合(神経障害性疼痛)があります。これらがどの程度、関与しているのか判断は難しいのですが、少なくとも急性期は、侵害受容性疼痛が中心と考えてよいでしょう。そして慢性期の痛みは神経障害性疼痛が主であるというのもコンセンサスが得られていると思います。 では、急性期から慢性期までの間は、両方が併存する訳で、割合もさまざまでしょうし、治療もそれを考慮する必要があります。また慢性期がいつからなのかも問題になります。慢性腰痛の場合、発症して3ヶ月以降と定義されていますが、そうでないものや、定義されていないものもあります。急性の外傷の場合、急性期は24時間〜72時間となっています。それ以降は徐々に慢性期になるのですが、いつが慢性期なのかはっきりとした定義はありません。 このような経緯から、急性期、すなわち侵害受容性疼痛が中心な時期は、アセトアミノフェン、NSAIDs、オピオイドを程度に応じて使い分け分けることになりますし、慢性期に移行してくれば、神経障害性疼痛となってきて、これらの薬のレスポンスは落ちてくるので 神経障害性疼痛に使う薬(プレガバリン、SNRI,、ノイロトロピン、オピオイド等)に切り替えていく必要があります。 ノイロトロピンは、効果判定に1ヶ月ほどかかります。プレガバリン、SNRIは1〜2週間程度みておく必要があります。 これら以外に、整形分野の神経障害による痛みに対し、ビタミンB12や牛車腎気丸が使われます。ビタミンB12は神経賦活作用がありますので、神経が元気になる薬としてお出ししてます。牛車腎気丸もビタミンB12と似た作用を有しています。漢方薬は効果判定に1ヶ月ほどかかりますので途中で諦めないようにしてください。 |
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本日のコラム96 神経障害性疼痛とは? 神経障害性疼痛の特徴 1.持続性および発作性の自発痛(刺激が無くとも発作が起こる) 2.アロディニア(非侵襲刺激で痛みが誘発される。痛覚過敏) *アロディニア(wikipedia):アロディニア(英: allodynia)とは、通常では疼痛をもたらさない微小刺激が、すべて疼痛 としてとても痛く認識される感覚異常のこと。異痛症とも呼ばれる。 3.痛覚過敏(侵害刺激に対する疼痛閾値の低下) 4.しびれ(感覚低下を伴う) 診断の要 1.傷害神経の解剖学的神経支配に一致した領域に観察される感覚障害の他覚的所見 2.神経障害性疼痛を説明する神経障害、あるいは神経弛緩を診断する検査所見 痛みが解剖学的に妥当かつ体性感覚伝導系の損傷や疾患を示唆し、診断のための評価・検査を行う。 確定:両項目とも当てはまる 一部:1項目のみ ほとんどない:1項目も当てはまらない 発症メカニズム 末梢から中枢神経系に及ぶ痛覚伝導路の機能的・可塑的変化によって引き起こされる病的疼痛で、この変化は末梢神経、脊髄、脳の各レベルで起こります。 変化として 1.感覚系ニューロンの感作 2.神経線維の発芽を含む神経再構築 3.脱抑制や疼痛抑制系の変化 4.情動的・精神的変調 各部位で起こること 1.末梢神経(損傷部位) 一次ニューロンレベルでの神経損傷部位における脱髄や神経腫形成による異所性発火現象 後根神経節ニューロン感作 交感神経の感覚神経への発芽現象 →マクロファージなどの免疫細胞が関与 2.脊髄神経 脊髄後角ニューロンの感作、神経再構築、下行性疼痛抑制系の減弱、下行性疼痛促進系の亢進、介在抑制ニューロンの脱抑制 3.脳レベル 痛みの認知は、ペインマトリックスのなかで行われます。 *ペインマトリックス:視床、1次性感覚野、2次性感覚野、島葉、前帯状回、前頭前野など 更に痛みの認知は、脳の神経再構築、意識のあり方(注意)、予期・期待、気分(不安、恐怖、うつなど)に大きく影響されます。 参考:神経障害性疼痛 真下 節 編集 |
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