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整形外科 外科
リハビリテーション科

足底腱膜炎 plantar fasciitis

ランニング障害でよく起こります。若い人から中高年までかかとの前、土踏まずの後方に痛みが出るようになります。最近分かってきたこととして炎症と言うより変性によるものとされています。

主な症状
朝起きての第一歩が鋭く痛む
歩行や運動後に足底や踵が痛む
足底の突っ張り感や腫れ
つま先立ちが困難
踵骨内側の圧痛
原因は過剰な負荷ですが足底腱膜やアキレス腱が硬化、短縮しても起こりやすいです。痛みが出たらテーピングが効果的です。また超音波治療、温熱治療がよく効きます。クッション性が高い靴を履くのも効果があります。

原因とリスク因子

原因

説明

足底腱膜への過負荷

長時間の立位・運動・肥満など

アーチ構造の崩れ

扁平足・開張足など

筋・腱の柔軟性低下

アキレス腱や腓腹筋の硬さ

靴の問題

クッション性の低い靴・サイズ不適合

加齢

腱膜の弾力性低下


原因となった運動メニューを見直すことも重要です。痛む原因は複合していることもありますので十分な聞き取りを行ってから、治療方針を決めます。

保存療法(第一選択)
ストレッチ:アキレス腱・足底腱膜・腓腹筋
足底板(インソール):アーチ支持型が有効
体外衝撃波治療(ESWT):難治性に保険適用
薬物療法:NSAIDs、局所ステロイド注射(慎重に)

自宅ケアの例
テニスボールで足底を転がす
タオルギャザーや足趾のグーチョキパー運動
湯船で温めてからマッサージ

クッション性の高い靴の使用

保存的治療で改善しない場合は手術を考慮します。急性期の保存治療としては痛む動作を中止し局所の安静をはかります。また消炎鎮痛剤を服用します。慢性期は痛みに応じてアーチサポートや内側ウェッジのインソールを使います。)

主な手術方法

術式

概要

特徴

足底腱膜切離術

足底腱膜の一部(通常1/3〜1/2)を切離

痛みの原因部位を除去。内視鏡下で行うことが多い

踵骨棘切除術

骨棘のみを削除し、腱膜は温存

腱膜を切らずに改善可能な症例に有効。術後の安定性が高い

TENEX法

超音波ガイド下で変性組織を吸引除去

低侵襲・日帰り可能。米国で10万例以上の実績あり

PRP併用術

切除後に自己血由来のPRPを注入

組織修復促進。再生医療との融合が進む


鑑別疾患としては、踵骨疲労骨折、後脛骨筋機能不全、足根管症候群があります。