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リハビリテーション科

成長期のかかとの痛み「シーバー病」ってなに?

シーバー病(正式には「踵骨骨端症」)は、成長期の子どもに多く見られるかかとの痛みの原因のひとつです。特に、サッカーやバスケットボールなど、走ったり跳んだりするスポーツをしている10歳前後の男の子に多く発症します。

どうして痛くなるの?

成長期のかかとの骨(踵骨)は、まだ完全に硬くなっておらず、骨端軟骨という柔らかい部分があります。ここにアキレス腱や足底腱膜が付着していて、運動によって引っ張る力(牽引ストレス)が繰り返しかかると、炎症が起きて痛みが出るのです。

原因と問題点

筋肉や腱の柔軟性不足(成長に骨が先行し、筋腱が追いつかない)
偏平足やハイアーチなど足の形状
サイズが合わない靴やクッション性の低い靴
運動後のケア不足(アイシングやストレッチの欠如)

どんな症状が出るの?

症状 説明
押すと痛い かかとの後ろを押すと痛がる
歩くと痛い 特に運動後や朝起きたときの一歩目が痛い
歩き方が変わる つま先立ちで歩いたり、かかとを浮かせて歩く
腫れや熱感 激しい運動後に腫れることも

診断と検査

問診と触診が基本。かかとを押して痛がるかを確認。
レントゲンでは、骨端核の不整像や硬化像が見られることがありますが、正常でも似た所見が出るため、臨床症状が重要です。

治療とセルフケア

基本は保存療法(手術なし)で、以下のような方法が効果的です:

方法 内容
安静 痛みが強いときは2〜3週間の運動制限
アイシング 運動後や痛みが強いときに冷やす
インソール かかとを1cmほど高くしてアキレス腱の緊張を緩和
‍️ ストレッチ アキレス腱やふくらはぎ、足底腱膜の柔軟性を高める
サポーター 歩行時の衝撃を和らげるための補助具も有効
超音波治療 血流を促進し、炎症を和らげる補助療法として注目

予後と再発予防

多くの場合、成長とともに自然に治癒します。
ただし、再発することもあるため、以下のような予防が大切です:

予防のポイント

スポーツ前後のストレッチとアイシング
サイズの合った靴とクッション性のあるインソール
疲労がたまる前に休息をしっかり取る
痛みが出たら無理せず早めに対処