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整形外科
外科リハビリテーション科

開張足 spread foot

中高年になると足裏がべたっと横に広がってしまうことがあります。これは足の土踏まずを形成するための横アーチが崩れて起こります。横アーチが崩れる原因は先天性に柔らかい場合、運動不足による筋力の低下、肥満、過度の運動負荷、長時間の立位などが関係しています。またハイヒールや幅の広すぎる靴も影響することがあります。

症状は足の裏の痛みやしびれです。特に2〜3趾の付け根あたりに痛みやしびれが生じます。また同部にたこができて痛いこともあります。これは年齢と共に横アーチが崩れ、本来、母趾に体重をかけて蹴り出すという動作が旨くできず2-4趾に力が掛かってしまうからです。このためアーチの崩れに末梢神経が圧迫されてしびれがでます。このしびれは2-4趾先端のしびれとしてでます。坐骨神経痛とは異なります。

開張足が進行すると外反母趾となっていきます。

靴は底が薄いものやハイヒールは前部に荷重がかかりやすいので症状が悪化します。また大きめの靴や横幅が広い場合も悪化要因となります。靴はソールがしっかりして厚みがある程度あるもので長さも広さも程よく、なおかつ踵がしっかり包まれて固定されるものを選択し毎回靴紐をしっかりと結ぶように心がけるとよいでしょう。

一度広がってしまった足を治すことは出来ませんが、足趾の運動や足関節周辺の筋トレにて悪化しにくくすることは可能です。足に合ったシューズや足底板を装着し、横アーチを保つようにすれば足裏の症状も緩和します。
 
開張足と外反母趾の関係性:横アーチの崩壊が引き金に

開張足と外反母趾は密接に関連しており、横アーチの低下(開張足)が外反母趾の発症・進行の主要因となることが多いです。

項目

内容

横アーチの崩壊

足趾の付け根(中足骨頭)が広がり、足幅が拡大

開張足の結果

第1中足骨頭が突出し、母趾が内側に押される

外反母趾の進行

母趾が外側に変形し、靴との摩擦で痛みや炎症が生じる

相互作用

開張足 → 外反母趾 → さらに横アーチが崩れるという悪循環

どちらが先に起こる?

多くのケースでは開張足が先行し、足の構造的バランスが崩れることで外反母趾が誘発されます。特にハイヒールや幅の狭い靴の着用がリスクを高めます。

予防と対策

横アーチを支えるインソールの使用(開張足の進行抑制)
つま先が広く、かかとが安定した靴の選択
足趾の運動(グーチョキパー)やタオルギャザーで足底筋群を強化
ヒールの高い靴の使用制限歩行姿勢の見直し