ストレートネック straight neck
頚椎の側面レントゲン撮影で頚椎がまっすぐ立ってしまったように見える状態をストレートネックといいます。本来、頚椎は生理的な湾曲があり前弯(後ろに反っている)となっています。これがまっすぐなるとストレートネックと診断されます。
原因として姿勢不良、椎間板変性、椎間板ヘルニアなどがあります。20歳代女性の30%から60%がストレートネックになっており、頚・肩周りの筋肉が未発達であったり姿勢の不良が原因ではないかと言われています。この結果、頚椎の重心が前に移動し、頭や頚を支える筋肉への負荷が大きくなり痛みやコリなどの症状が出ます。
ストレートネックに一度なってしまうと元に戻ることはなかなか難しいです。首・肩周りのストレッチ、姿勢の矯正、首回りの筋トレが予防や症状の改善につながります。
姿勢不良は頚だけの問題では無く、骨盤~腰椎~胸椎~頚椎がバランスが悪く、猫背や頚を前屈したり、また骨盤が前傾することによって起こります。従って日頃から姿勢を正しくすることも重要となります。体操として顎を後ろに引く運動や後頸部の筋肉~僧帽筋を鍛える運動を行います。
ストレートネックは、頚部痛や肩こり、頭痛といった症状を引き起こします。有症状である場合は体操や姿勢の矯正、理学療法などの治療が有効です。
最近では、ストレートネックより更に変形して後弯変形となっている方も多く見られます。
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治療は、症状に合わせて行います。
温熱治療や牽引治療が症状の緩和に効果的です。
頚椎後弯変形(首下がり・ストレートネック)に対する体操療法
**「首の後ろの筋肉(伸筋群)を鍛える」、「固まった胸の筋肉や肩甲骨周りをほぐす」**ことが基本となります。
無理に動かすと神経を痛める可能性があるため、痛みのない範囲で、ゆっくり行うのが鉄則です。
1. 首の深層筋(インナーマッスル)を鍛える
顎を引く筋肉を刺激し、頭の位置を正しい場所にリセットします。
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タックイン(顎引き運動)
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椅子に深く座り、背筋を伸ばします。
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指を顎に当て、水平に後ろに押し込むように顎を引きます(二重顎を作るイメージ)。
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3〜5秒キープして力を抜きます。これを10回程度繰り返します。
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効果: 首の深層にある筋肉を活性化し、頭の重さを支えやすくします。
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2. 胸郭・肩甲骨を広げる
首が前に倒れる(後弯する)と、必ず胸の筋肉が縮み、肩甲骨が外側に広がります。これを矯正します。
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肩甲骨寄せ(チェスト・オープン)
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両肘を曲げて肩の高さまで上げます。
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息を吐きながら、両方の肩甲骨を中央に寄せるように、肘を後ろに引きます。
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胸が開くのを感じながら5秒キープし、ゆっくり戻します。
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キャット&カウ(椅子に座った状態)
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両手を膝に置きます。
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息を吐きながら背中を丸め(おへそを見る)、次に息を吸いながら胸を張り、少し斜め上を見ます。
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効果: 脊椎全体の柔軟性を出し、首への負担を分散させます。
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3. 頚部伸筋群の等尺性(アイソメトリック)運動
首を動かさずに、抵抗を加えることで安全に筋力を強化します。
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後頭部で手を組む: 両手を後頭部に当てます。
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押し合う: 頭は後ろに倒そうとし、手はそれを押し返すように力を入れます。
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キープ: 首が動かない状態で5秒間、じわーっと力を入れ合います。
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ポイント: 首の骨を動かさないので、痛みが出にくいトレーニングです。
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体操を行う際の注意点
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しびれや痛みが出たら即中止: 手に電気が走るような感覚や、痛みが強まる場合は、神経を圧迫しているサインです。
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「上を向く」動作に注意: 後弯が強い人が急に上を向くと、神経の通り道が狭くなり、症状が悪化することがあります。まずは「顎を引く」「肩甲骨を寄せる」から始めてください。
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継続が鍵: 筋肉の再学習には時間がかかります。1日数回、デスクワークの合間などに取り入れるのが理想的です。