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整形外科 外科
リハビリテーション科

  外傷に対する破傷風の予防 tetanus vaccine

本日のコラム25 破傷風の予防接種

 ケガをしたときに、破傷風の予防接種を行うことがあります。これには傷の程度、ワクチンの接種回数・期間によって、決められています。発症すると生命に関わる場合もあるだけに、しっかりと予防します。
1968年(昭和43年)以降の生まれでワクチン接種を行っていた人は20歳前後までは通常の創ならあまり心配は無い。汚染創は16-17歳以降なら破傷風トキソイドを接種。

外傷時における破傷風予防(米国小児科学会Red bookより引用、改変)  
 破傷風ワクチン接種 通常の創 (小さく、浅く、清潔) 汚染創 
 トキソイド グロブリン  トキソイド グロブリン 
 3回未満か不明  投与  不要  投与  投与
 3回以上  不要*1  不要  不要*2  不要
*1最終ワクチン接種より10年以上は投与
*2最終ワクチン接種より5年以上は投与
*破傷風ワクチンを含んだ3種混合ワクチンの定期接種は昭和43年(1968年)以降
 それ以前に生まれた成人は免疫が無い可能性が高い。
*11-12歳児に最終ワクチン(ジフテリア+破傷風の2種混合)が接種され、有効は接種後10年程度。

 トキソイド:破傷風トキソイド
 グロブリン:抗破傷風免疫グロブリン

*いずれの注射も投与後30分は院内で経過を観察する。

*定期接種は1期で3回、3カ月から接種を始め、3〜8週空けて3回の接種を行う。その3回が終わった後、半年から1年ぐらいのちに次の追加接種を行い、1期が終了。その後、11〜12歳あたりでDT(破傷風とジフテリアの入った2種混合ワクチン)を接種し、定期接種は破傷風を含むワクチンを5回打って終了となる。
*3種混合ワクチン→現在は4種混合(ジフテリア、100日咳、破傷風、ポリオ)になっている。

*破傷風:潜伏期間3日〜3週間、テタノスパスミンという神経毒を産生し、逆行性に中枢神経に達し、筋のけい縮(開口障害、呼吸困難、後弓反張)を起こす。現在でも発症すると救命措置を行っても約30%は死亡するので予防が大切です。
 
 国立感染研サイトより引用  破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani )が産生する毒素のひとつである神経毒素(破傷風毒 素)により強直性痙攣をひき起こす感染症である。破傷風菌は芽胞の形で土壌中に広く常在し、 創傷部位から体内に侵入する。侵入した芽胞は感染部位で発芽・増殖して破傷風毒素を産生する。破傷風の特徴的な症状である強直性痙攣は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3 〜21 日)の後に局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に 移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがある。近年、1 年間に約40 人の患 者(致命率:約30%)が報告されているが、これらの患者の95%以上が30 才以上の成人であった。