骨粗しょう症は、「骨密度」と「骨質」が低下し、骨がもろくなることで骨折しやすくなる病気です。現在、全国で約1,280万人が骨粗しょう症と推定されており、特に女性に多く、年々患者数は増加傾向にあります。
原因としては、加齢やホルモンの変化、過度の飲酒・喫煙、ビタミン不足、ステロイドなどのお薬の影響などが挙げられます。原因を見極め、早期に診断・治療を行うことが大切です。
骨粗しょう症に伴う骨折のリスクは高く、年間約15万人が大腿骨近位部を骨折しているとされています。さらに背骨の骨折(椎体骨折)は、70代女性で約5人に1人が経験すると報告されています。こうした骨折は移動能力や日常生活の質の低下を招き、死亡率を高める可能性もあります。
診断は、診察・画像検査・血液検査・骨密度測定などを組み合わせて行います。当院では、精度の高い骨密度測定装置を導入しており、1回の受診で診断を完了することも可能です。
骨密度検査が推奨されるのは、65歳以上の女性、70歳以上の男性、既に骨折を経験された方、大腿骨近位部骨折の家族歴がある方などです。検査の必要性は総合的に判断いたしますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
治療については、原因に応じた対応を行います。骨量が低下している場合は、内服薬や注射薬を用いた治療を開始します。これらのお薬は骨折リスクを3〜5割程度低下させることが期待されています。当院では、症状や生活スタイルに応じて、継続しやすい治療法をご提案しています。
栄養面では、カルシウム、ビタミンD・Kの摂取が重要です。小魚、乳製品、魚介類、納豆、緑黄色野菜などを適度に取り入れることが予防につながります。
また、運動も大切です。ウォーキングやストレッチ、水中運動などが骨やバランス能力の維持に効果的とされています。当院では、個々の体力に合わせた筋力トレーニングやリハビリプログラムのご案内も行っております。
骨粗しょう症は身近な病気ですが、適切な診断と治療により予防や改善が可能です。気になることがありましたら、どうぞいつでもご相談ください。当院では、皆さまの健康を守るための情報発信にも力を入れてまいります。
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