慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー/多巣性運動性ニューロパチー Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy
国から難病指定。末梢神経のミエリン鞘に対する自己免疫疾患であり多発性硬化症を合併することがあります。「2ヶ月以上にわたる慢性進行性 あるいは階段性、再発性の左右対称性の四肢の遠位、近位筋の筋力低下・感覚障害を主徴した原因不明の末梢神経疾患」と定義されています。末梢神経の生検で脱髄所見とonion-bulb像を認めます。
脱髄性多発根神経炎(ギラン・バレー症候群)は数日〜約一週間以内に発症するのに対して、緩徐に進行、再発、再燃を繰り返します。
治療はステロイド療法、血液浄化療法、免疫グロブリン静注療法など。
<診断基準> (難病情報センターより抜粋)
- 1.主要項目
- (1)発症と経過
- @2 ヶ月以上の経過の、寛解・増悪を繰り返すか、慢性進行性の経過をとる多発ニューロパチーである。
- A当該患者の多発ニューロパチーを説明できる明らかな基礎疾患、薬物使用、毒物への暴露がなく、類似疾 患の遺伝歴がない。
- (2)検査所見
- @末梢神経伝導検査で、2 本以上の運動神経において、脱髄を示唆する所見を示す。※注1
- A脳脊髄液検査で、蛋白増加をみとめ、細胞数は 10/mm3 未満である。
- B免疫グロブリン大量療法、副腎皮質ステロイド薬、血液浄化療法、その他の免疫療法などにより改善を示し た病歴がある。
- CMRI で神経根あるいは馬尾の肥厚または造影所見がある。
- D末梢神経生検で脱髄を示唆する所見がある。
- 2.鑑別診断
- (1)全身性疾患等による末梢神経障害 糖尿病、アミロイドーシス、膠原病、血管炎、悪性腫瘍、多発性骨髄腫、中枢神経系脱髄疾患、HIV 感染症、サルコイドーシス
- (2)末梢神経障害を起こす薬物への暴露
- (3)末梢神経障害を起こす毒物への暴露
- (4)末梢神経障害を起こす遺伝性疾患
- 3.診断の判定
- (1)@Aならびに(2)@のすべてを満たし、(2)AからDのうちいずれか1つを満たすもの。
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- 注.2 本以上の運動神経で、脱髄を示唆する所見(@伝導速度の低下、A伝導ブロックまたは時間的分散の存在、B遠位潜時の延長、CF 波欠如または最短潜時の延長の少なくともひとつ)がみられることを記載した神経伝導検査レポートまたはそれと同内容の文書の写し(判読医の氏名の記載されたもの)を添付すること
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