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整形外科 外科 リハビリテーション科

デュピュイトラン拘縮 Dupuytrens Contracture

デュピュイトラン拘縮 Dupuytrens Contracture

手のひらの腱膜である手掌腱膜が肥厚、収縮して豆状、更には索状となり手指の伸展障害が起こります。原因はよく分かっていません。手掌腱膜の線維芽細胞の増殖が起こるのですが原因は不明です。中年以降の男性に多く(実際の診療では、中年以降女性にも普通によく見られます)、両側性であることが多いです。また環指、小指側に多く見られます。軽度のものは比較的よく見られます。痛みはあまりありません。

小さな豆状で進行しないものは経過観察をし、索状で伸展制限のあるものは手術を考慮します。進行した場合、手術をしても伸展障害が残ることがあります。特に小指の進展制限が強く起こると手術が必要となることが多いとされています。

エビデンス:病態・原因(危険因子)

デュピュイトラン拘縮の原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝以外の要因を調べた54研究のシステマティックレビューでは、加齢・男性・家族歴・糖尿病との強い関連が示されています。さらに、飲酒量が多いこと・喫煙・手を使う肉体労働については、程度が強いほど発症しやすくなる「量反応関係」が認められました。ただし、これらが原因なのか結果なのか、因果関係の確定にはさらなる研究が必要とされています(Alser ら. Plast Reconstr Surg. 2020)[1]

エビデンス:治療(手術・注射・切離)

索状に進行し伸展制限が出た場合の治療には、手術(腱膜切除術)、コラゲナーゼ注射、経皮的針腱膜切離(針で索を切る方法)などがあります。11件のランダム化試験を統合したネットワークメタ解析では、腱膜切除術が短期・長期のいずれでも伸展障害の改善や再発の少なさ、満足度の面で優れる傾向が示されました(Nann ら. Hand (N Y). 2024)。一方、個々の患者データを統合した別のメタ解析では、腱膜切除術は伸展障害の残りがやや少ないものの「臨床的に大きな差ではなく」、注射は軽度の合併症が多め、針・注射による方法は再発が早い傾向がある一方、腱膜切除術は再発までの期間が最も長い、と報告されました。治療法は合併症のリスクと再発しやすさを比べて選ぶことがすすめられています(van den Berge ら. J Hand Surg Eur Vol. 2025)[2][3]

エビデンス出典(全3件)を見る
  1. Alser OH, Kuo RYL, Furniss D. Nongenetic Factors Associated with Dupuytren's Disease: A Systematic Review. Plast Reconstr Surg. 2020;146(4):799-807. PMID: 32970002.
  2. Nann S, Kovoor J, Fowler J, et al. Surgical Management of Dupuytren Disease: A Systematic Review and Network Meta-analyses. Hand (N Y). 2024;19(8):1283-1292. PMID: 37246411.
  3. van den Berge BA, Habibi H, Dijkstra PU, et al. Outcomes of limited fasciectomy, needle fasciotomy and collagenase injection for Dupuytren's disease: a systematic review and meta-analysis of individual patient data. J Hand Surg Eur Vol. 2025;50(7):878-890. PMID: 40391547.