広背筋症候群 Latissimus Dorsi Syndorome
運動や仕事で上方に腕を伸ばす動作を繰り返して起こる広背筋の筋筋膜炎のことです。広背筋の柔軟性や過度の緊張原因となります。薪型や世故背などの姿勢不良にも注意が必要です。ショルダープレスやダンベルプルオーバーなどの過度の負荷も原因となります。
肩甲骨下方にある広背筋に圧痛点があり肩甲骨~上肢~環指・小指へと放散痛がでることがあります。治療は痛みの出る作業を控えること、ストレッチ、消炎鎮痛剤やトリガーポイント注射が有効です。
エビデンス:原因(腕を頭上へ伸ばす反復動作)
広背筋(および大円筋)の障害は、投球などのように腕を頭上へ繰り返し伸ばすオーバーヘッド動作を行うアスリートで多くみられると報告されており、上肢を上方へ伸ばす反復動作が広背筋への負担となることが示されています(Erickson ら. Curr Rev Musculoskelet Med. 2019)[1]。
エビデンス:症状・診断(肩後方~腋窩の見逃されやすい痛み)
広背筋・大円筋の障害は臨床像が多彩で初診時に見逃されやすく、肩から腋窩部にかけての症状を呈するとされ、身体診察に加えて超音波などによる評価が診断精度の向上に有用と報告されています(Lehane ら. JSES Rev Rep Tech. 2025[2]/Pagan-Rosado ら. J Ultrasound Med. 2025[3])。
エビデンス:治療(まず保存療法)
軽度から中等度の広背筋障害の多くは、安静を含む保存療法で良好に対応できると報告されており、痛みの出る動作を控えることが治療の基本となります(Erickson ら. Curr Rev Musculoskelet Med. 2019)[1]。
エビデンス出典(全3件)を見る
- Erickson BJ, Petronico N, Romeo AA. Approach to Latissimus Dorsi and Teres Minor Injuries in the Baseball Pitcher. Curr Rev Musculoskelet Med. 2019;12(1):24-29. PMID: 30707407.
- Lehane KM Jr, Faust T, Romeo AA, Erickson BJ. Approach to diagnosing and treating tears of the latissimus dorsi and teres major. JSES Rev Rep Tech. 2025;5(4):849-856. PMID: 41179423.
- Pagan-Rosado R, Kindle B, North T, Smith J. Ultrasound Imaging Protocol for Latissimus Dorsi and Teres Major in Overhead Athletes: A Comprehensive Approach. J Ultrasound Med. 2025;44(5):945-954. PMID: 39887447.