月状骨周囲脱臼とは、手首に強い衝撃(高所転落や交通事故など)が加わったときに、月状骨以外の手根骨がずれる重い怪我です。月状骨は元の位置に残ったまま、その周りの骨が背側に飛び出るのが特徴で、X線で「Gilula's line」と呼ばれる骨の並びが乱れているかを確認して診断します。手首が腫れて動かせなくなり、指先のしびれを伴うこともあり、これは正中神経が圧迫されているサインです。早期に整復しないと、骨の壊死や関節が変形するリスクが高まります。軽い怪我と見過ごされやすいので、手首の強い痛みや腫れがあれば、すぐに専門的な検査を受けることが大切です。
月状骨周囲脱臼 Perilunate Dislocation
月状骨周囲脱臼は実際に経験することはまれで、高エネルギー外傷(高所からの落下、オートバイ、競技自転車などからの落下)で手関節が過背屈されるとおこります。
舟状骨の骨折を伴うことも多いとされます。治療は脱臼の整復です。受傷2週間以内ですと徒手整復を行いますがそれ以上経過すると観血的に行います。
月状骨周囲脱臼はしばしばその配列の複雑さから見逃されることが多いとされています。
参考:『Orthopaedics』2022年3月号「関節拘縮の予防と治療 私の流儀」