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整形外科 外科
リハビリテーション科

弾発膝(Snapping Knee)〜膝の引っかかり感と膝雑音〜

膝の曲げ伸ばしの際に「引っかかる感じ」や「カクッとした動き」を感じることがあります。こうした現象は、骨軟骨損傷や半月板損傷などの関節内病変でよくみられます。特に深く膝を曲げた状態から伸ばすときに、関節裂隙の後外側に引っかかり感や自発痛が出る場合には、外側半月板の後節付着部が緩んでおり、滑車溝との間でインピンジメントを起こしている可能性があります。

膝の雑音は、腱や靭帯、骨軟骨、半月板などの構造物が関与して生じることが多く、必ずしも病的とは限りません。雑音があっても痛みがない、あるいは軽度であれば経過観察で問題ないことがほとんどです。しかし、雑音に加えて疼痛がある場合や、動作中に明らかな引っかかりや弾発現象がある場合には、原因の精査と治療が必要となります。

弾発膝とは、半月板や関節内遊離体などが関節内で挟まり、膝の屈曲時に「引っかかる感じ」がして、ある角度を超えると「がくん」と外れてその後はスムーズに動くという現象を指します。関節鏡視下での観察により、こうした機械的障害が明らかになることもあります。治療は、引っかかりの原因となっている病変を特定し、それに応じた保存療法や手術療法を行うことが基本です。

また、関節外の構造が原因で弾発膝が生じることもあります。たとえば、LDM(ligamentum directum menisci)の断裂や、脛骨内側の外骨腫に内側ハムストリング(半腱様筋・半膜様筋)が引っかかることで、膝の内側後方に弾発現象が起こることがあります。こうしたケースでは、筋緊張の緩和や滑走性の改善を目的とした理学療法が有効であり、必要に応じて超音波検査で動態を評価することもあります。