胸鎖関節とは、鎖骨の内側と胸骨がつながる小さな関節で、肩を動かすときの支えになっています。この関節の脱臼はとても稀で、交通事故やスポーツでの衝撃で起こります。前方へずれることが多く、肩の前に鎖骨が飛び出るように見えるのが特徴ですが、後方へずれた場合は胸の奥にある血管や気管を圧迫し、呼吸困難や静脈のうっ滞といった重い症状が出るため緊急を要します。若年者では、骨の成長部分(骨端線)が損傷している場合が多く、単純なX線では見分けがつきにくく、CT検査が必要です。整復後は6週間ほど鎖骨バンドで固定し、ゆっくりと動かす訓練を始めます。ずれたままでも無症状な場合が多く、適切に処置すれば機能の回復は期待できます。
胸鎖関節脱臼 Sternoclavicular Joint _dislocated
鎖骨内側端と胸骨で構成される関節です。交通事故やスポーツ外傷で起こることが多いです。直接当たった場合は後方へ脱臼します。肩などを介して力が及んだ場合はその方向によって前方脱臼と後方脱臼に分かれます。前方脱臼が圧倒的に多いです。
後方脱臼は胸鎖関節後方に重要な血管や臓器がありますので必ず整復をするようにします。整復は全身麻酔下で行います。(大量出血に備えて胸部外科と共同で行います)
発症から整復まで48時間以上経過した場合や成長軟骨損傷にて整復が困難となるとされています。
前方脱臼もまた整復を行います。捻挫や亜脱臼は保存的に固定して治療します。
捻挫は1週間以内の三角巾固定。
亜脱臼は徒手整復後6週間の鎖骨バンドと三角巾で整復位を保つ。もしくは整復せずに2-3週間固定後リハビリを開始します。
参考:『講座 スポーツ整形外科学2 上肢のスポーツ外傷・障害』 / 『骨折診療スタンダード 原著第4版』