肩鎖関節脱臼 acromioclavicular joint dislocated 捻挫、亜脱臼
肩鎖関節は肩甲骨と鎖骨をつないでいる関節で、コンタクトスポーツなどの肩外傷でよく起こります。
肩を強く打つと肩甲骨と鎖骨をつないでいる肩鎖関節を損傷します。
程度の軽いものから
I度(捻挫)
II度(亜脱臼)
III度(脱臼)
に分類します。
Rockwood分類
| I度(捻挫) | 靭帯断裂の無いもの |
| II度(亜脱臼) | 肩鎖靱帯が断裂したもの |
| III度(脱臼) | 肩鎖靱帯に加えて烏口鎖骨靱帯も断裂 |
治療
I度(捻挫)、II度(亜脱臼)は保存的に治療します。
整復を維持することは困難ですので三角巾を装着して早期にリハビリを開始します。
III度(脱臼)は手術適応があり肩鎖関節の修復固定や断裂した烏口鎖骨靱帯を修復します。
ただし手術療法には治癒までに時間がかかるので、そのまま手術をせずにスポーツ復帰するケースもあります。その場合、整容的な問題があります。
肩鎖関節脱臼の分類と手術適応
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Tossy/Allman分類 |
病態 |
手術適応 |
|---|---|---|
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I型(捻挫) |
肩鎖靱帯の部分損傷のみ |
❌ 保存療法が原則 |
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II型(亜脱臼) |
肩鎖靱帯断裂+烏口鎖骨靱帯の部分損傷 |
❌ 保存療法が基本 |
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III型(完全脱臼) |
両靱帯断裂+筋肉剥離あり |
⭕ 若年・高活動者・審美的希望がある場合に手術検討 |
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IV型(後方脱臼) |
鎖骨が後方に転位 |
⭕ 手術適応(整復困難) |
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V型(高度脱臼) |
鎖骨の著明な上方転位+筋肉剥離 |
⭕ 手術適応(不安定性・審美的問題) |
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VI型(下方脱臼) |
鎖骨が下方に転位(稀) |
⭕ 手術適応(神経血管損傷の可能性) |
肩鎖関節脱臼
肩甲骨と鎖骨をつないでいる関節です。鎖骨の一番外側にあります。この関節はコンタクトスポーツなどの外傷で脱臼することがあります。ポコンと上に膨らみ、押すと戻りますが手を離すとまた上にずれてきます。損傷程度により保存治療もしくは手術療法が選択されます。プロスポーツでは長期離脱を嫌って手術しないこともあります。

エビデンス:高度脱臼における手術と保存療法
高度(III度以上)の肩鎖関節脱臼では、手術と保存療法とで機能スコアに明確な差はないとするメタ解析があり、保存療法は仕事復帰が早く、手術は整容的・画像的な整復に優れると報告されています。(Chang N ら. J Orthop Trauma. 2018)[1]。
エビデンス出典(全1件)を見る
- Chang N, Furey A, Kurdin A. Operative Versus Nonoperative Management of Acute High-Grade Acromioclavicular Dislocations: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Orthop Trauma. 2018;32(1):1-9. PMID: 29257778.
参考:『ST2019.5 鎖骨遠位骨折・肩鎖関節脱臼』 / 『臨床整形外科』2021年5月号 / 『a外傷整形外科ケーススタディ』 / 『Orthopaedics』2023年5月号 / 『Orthipaedics』2024年11月号