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整形外科 外科 リハビリテーション科

石灰沈着性頸長筋腱炎

石灰沈着性頸長筋腱炎 acute calcific retropharyngeal tendonitis

希な病気です。当院でも数例経験があるのみです。従って、数例集めては学会に報告されています。頚部痛、頚部可動域制限、咽頭痛が主訴となります。咽頭痛に比し頚部痛が強ければ整形外科を受診するケースが多いようです。咽後膿瘍との鑑別が重要です。咽後膿瘍は死につながることがありますので注意が必要です。

レントゲンで第1頸椎~第3頸椎椎体前面に石灰像を認めます。CTで石灰可を確認します。これはハイドロアパタイトの集積によるものです。急性発症と一ヶ月ぐらいかけて発症する亜急性とがあります。発熱や血中の炎症反応が陽性であることもあります。消炎鎮痛剤などの保存的治療に良く反応します。

咽後膿瘍との鑑別をしっかり行うことです。咽後膿瘍が疑わしき場合は耳鼻科へ必ず直ちに紹介しましょう。
 
石灰沈着性頚長筋腱炎

頸部椎体C1-C4レベルにある頚長筋腱が石灰沈着性の炎症を起こして、咽頭痛、頸項部痛を訴えて受診することが多い。石灰はハイドロキシアパタイトが蓄積されています。この被膜が破れて周辺組織にハイドロアパタイトの粒子が広がると、炎症を起こし徐々に吸収されます。このとき、疼痛や腫脹をきたすとされています。
 
通常1-2週間で自然寛解し、NSAIDsの内服や頸部の安静で症状は軽減されます。嚥下障害や呼吸困難を伴う場合はステロイドを短期投与します。

本日のコラム194 石灰沈着性頸長筋腱炎 acute calcific retropharyngeal tendonitis

 頚椎C1-C3レベルの前方にハイドロアパタイトが集積して炎症を起こします。レントゲンやCT、MRIで石灰像を認めます。今回、MIRにて診断し得た症例を提示します。


C,2、3,4椎体前方にT2強調像で高信号域を認めます。

エビデンス:CTで特徴的な石灰化

石灰沈着性頸長筋腱炎はCTで頸長筋の上部(頸椎前方)に特徴的な無定形の石灰化を認め、診断に有用と報告されています。(Boardman J ら. Emerg Radiol. 2017)[1]

エビデンス:NSAIDsで自然軽快

本症はNSAIDsと頸椎装具による安静で治療され、多くは1週間程度で症状が完全に消失する自然軽快性の疾患と報告されています(見逃されやすい頸部痛の原因)。(Kim YJ ら. Medicine (Baltimore). 2017)[2]

エビデンス出典(全2件)を見る
  1. Boardman J, Kanal E, Aldred P, Boonsiri J, Nworgu C, Zhang F. Frequency of acute longus colli tendinitis on CT examinations. Emerg Radiol. 2017;24(6):645-651. PMID: 28744692.
  2. Kim YJ, Park JY, Choi KY, Moon BJ, Lee JK. Case reports about an overlooked cause of neck pain: calcific tendinitis of the longus colli: Case reports. Medicine (Baltimore). 2017;96(46):e8343. PMID: 29145245.