crowned dens syndrome 王冠をかぶった環軸椎歯突起症候群

適切な訳語がないので、そのまま crowned dens syndrome と呼ばれています。第1頚椎と第2頚椎はリング状になった環椎と歯突起をもった軸椎で構成されており、首の回旋機能を司っています。
この回旋部分に偽痛風が発症すると急激な頚部痛、炎症反応がでます。CTでピロリン酸カルシウムが歯突起周囲後方に蓄積しており石灰像を認めます。
消炎鎮痛剤等の保存的治療に良く反応します。
簡単に言うと環軸椎の偽痛風です。CTで歯突起が王冠をかぶったように見えるのでこのような名前がつけられました。
頚椎の第1-第2関節である環軸関節において第2頚椎の歯突起の後方にピロリン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトが蓄積して炎症が起こる病気です。炎症を起こすと頸部痛、とくに回旋させるときに痛みが生じます。レントゲンで歯突起後方に石灰像があるとほぼ確定ですが、実際には判読するのは難しく、CTで石灰化があるかどうかをチェックします。
高齢者に多く、発作時には血液検査で炎症反応が出ます。鑑別診断としては、リウマチ性多発性筋痛症、髄膜炎、脊椎炎があります。
エビデンス:CTで歯突起周囲の石灰化
Crowned dens症候群では歯突起周囲にCPPD/HAの石灰化を生じ、CTで評価します(CT撮影例で歯突起周囲石灰化が約16%にみられたとする報告があります)。(Sano M ら. Mod Rheumatol. 2018)[1]。
エビデンス:NSAIDsによく反応する
本症はNSAIDsなどの保存的治療によく反応し、日本の72例の症例集積では約8割でNSAIDsが用いられ症状消失までの中央値は8日であったと報告されています。(Isono H ら. J Gen Fam Med. 2023)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Sano M, Yamashita S, Aiba T. The prevalence of calcification around odontoid process and the incidence of crowned dens syndrome in the neurosurgical ward: A single institution's analysis. Mod Rheumatol. 2018;28(1):182-187. PMID: 28440697.
- Isono H, Kuno H, Hozumi T, Emoto K, et al. Crowned dens syndrome: A case series of 72 patients at eight teaching hospitals in Japan. J Gen Fam Med. 2023;24(3):171-177. PMID: 37261038.
参考:『エッセンシャル 脊椎・脊髄の画像診断』