大腿骨骨幹部骨折 femoral diaphyseal fracture
大腿骨中央部の細長い部分での骨折です。成人では交通事故や転落などの高エネルギー損傷で起こります。小児は落下や虐待によることがあります。
骨折時に500〜1500mlの出血が起こることもあります。
12歳以下は手術を行わずに保存的治療を行います。中学生以上は早期回復をめざして手術を考慮します。
手術は髄内釘を挿入しネジで固定します。そのほか、状況により創外固定やプレート固定を選択することもあります。
膝関節の拘縮が起こりやすい。大腿骨骨折441例中、膝屈曲障害が31.2%に認められたという報告あり。 特に骨幹部下1/3の骨折では、固定期間に関係なく屈曲障害が高頻度に発生。改善が得られない場合は、関節授動術(癒着剥離術)が適応となることもあります。
エビデンス:二峰性分布・高エネルギー外傷
大腿骨骨幹部骨折は二峰性の分布を示し、若年者では交通事故などの高エネルギー外傷、高齢者では低エネルギー外傷で生じ、多発外傷を伴うことが多いとされています。(Denisiuk M ら. StatPearls. 2023)[1]。
エビデンス:リーミングの是非
大腿骨骨幹部骨折の髄内釘固定ではリーミング(髄腔拡大)を行うほうが偽関節・再手術が少ない一方で出血が多く、非リーミングは偽関節・再手術が多いが出血が少ないと無作為化比較試験のメタ解析で報告されています。(Huang X ら. J Orthop Sci. 2022)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Denisiuk M, Afsari A. Femoral Shaft Fractures. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023. PMID: 32310517.
- Huang X, Chen Y, Chen B, et al. Reamed versus unreamed intramedullary nailing for the treatment of femoral shaft fractures among adults: A meta-analysis of randomized controlled trials. J Orthop Sci. 2022;27(4):850-858. PMID: 34303590.
参考:『関節外科』2021年8月号 / 『a外傷整形外科ケーススタディ』 / 『関節外科』2021年4月号 / 『AO骨折治療 第3版』 / 『整形・災害外科 2024.4臨時増刊号 骨折治療の現在地を知る!』